展覧会「いとしのレトロ玩具 もう逢えないと思ってた、がここにある」が、東京・弥生美術館にて、2023年9月24日(日)まで開催される。
玩具と共に人は成長し、その懐かしい思い出は大人になってからもいつだって心の中にある。16世紀から19世紀にかけて、世界的にも突出したおもちゃ文化を作り上げた日本の玩具界は、20世紀の激動の中、目まぐるしい変化を遂げた。
「いとしのレトロ玩具 もう逢えないと思ってた、がここにある」は、20世紀の玩具界に訪れた2つの大きな変革、時代の精神・価値観などの文化的変革、テクノロジーの発達による変革を軸に、遊び心と夢に溢れたレトロ玩具について、約700点以上の貴重な玩具の展示と共に紹介する展覧会。あわせて、玩具史における100年間の軌跡を辿る。
どの時代においても、当時最先端の技術を詰め込まれ、人々の夢と憧れを一身に背負った玩具たちは、まさに世相を映す鏡でもあった。たとえば戦時下は、兵士をモチーフとした玩具などが製造されていた。展示されるレトロ玩具は、戦前の子どもたちが遊んでいた玩具から、「Made in occupied Japan(占領下の日本製)」の玩具、戦後の復興を経て華麗に蘇った玩具まで勢揃いする。
昭和30年以降の日本において、当時の経済白書が「もはや戦後ではない」と明記するほどに、技術革新は目まぐるしいものがあった。三種の神器(白黒テレビ、電気冷蔵庫、電気洗濯機)、新三種の神器(自動車、クーラー、カラーテレビ)が登場すると、大衆の消費欲はピークを迎え、経済成長を促進していく。
そんな大量消費社会を反映するかのように、子どもの玩具にも様々なギミックが搭載され、大人社会に倣うかのように画期的な玩具が生み出されたのである。会場では、そんな時代背景が感じられるような玩具が集結する。
加えて、現代の玩具事情にもフォーカス。玩具の世界と地続きにあるような現代のミニチュア、ホビーブームやKawaii文化など、大人になっても心惹かれる玩具の魅力に迫る。
「いとしのレトロ玩具 もう逢えないと思ってた、がここにある」
会期:2023年7月1日(土)~9月24日(日)
会場:弥生美術館 1~2階
住所:東京都文京区弥生2-4-3
休館日:月曜日(ただし7月17日(月・祝)、9月18日(月・祝)は開館、7月18日(火)、9月19日(火)は休館)
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料:一般 1,000円、大・高生 900円、小生 500円
※竹久夢二美術館と2館併せて観覧可
※撮影:大橋愛
【問い合わせ先】
TEL:03-3812-0012