2025年に関西で開催される、注目のアート展覧会の情報を特集。大阪、京都、奈良を中心に、近畿地方の美術館や博物館で開催される展覧会スケジュールを、会期順に紹介する。日本画、西洋絵画、現代美術、ファッション、デザインなど、さまざまな展覧会の会期や会場、観覧料を随時更新していく。詳細からは、見どころなどを確認することもできる。
大阪の国立国際美術館で開催されるコレクション展「コレクション2 Undo, Redo わたしは解く、やり直す」は、すでに存在する素材や構造、歴史をほぐし、それらを再構成する表現に着目する展覧会。2023年度に収蔵したルイーズ・ブルジョワやレオノール・アントゥネス、2024年度に収蔵し国内初公開となるルース・アサワの作品を起点に、同館の所蔵作品を紹介する。
「コレクション2 Undo, Redo わたしは解く、やり直す」
会期:2025年2月15日(土)〜6月1日(日)
会場:国立国際美術館(大阪府大阪市北区中之島4-2-55)
観覧料:一般 430円、大学生 130円
大阪市立自然史博物館で開催される特別展「貝に沼る —日本の貝類学研究300年史—」は、江戸時代から現代まで、日本における貝類学研究とその成果をたどる展覧会。江戸時代の博物学から、近代初期の図鑑、実物標本、そして最新の研究技術まで、貝類学研究の足跡を紹介する。
「貝に沼る —日本の貝類学研究300年史—」
会期:2025年2月22日(土)~5月6日(火・振)
会場:大阪市立自然史博物館(大阪府大阪市東住吉区長居公園1-23 花と緑と自然の情報センター 2F)
観覧料:大人 500円、高校・大学生 300円
大阪の国立国際美術館で開催される特別展「ノー・バウンダリーズ」は、現代社会における境界に着目し、同館が所蔵する約20名の現代美術家による作品を紹介する展覧会。クリスチャン・ボルタンスキーやヴォルフガング・ティルマンス、森村泰昌、山城知佳子などが出品する。
「ノー・バウンダリーズ」
会期:2025年2月22日(土)〜6月1日(日)
会場:国立国際美術館(大阪府大阪市北区中之島4-2-55)
観覧料:一般 1,200円、大学生 700円
大阪の山王美術館で開催される展覧会「山王美術館コレクションでつづる エコール・ド・パリ展」では、エコール・ド・パリに着目して同館の所蔵作品を紹介。藤田嗣治やアメデオ・モディリアーニをはじめ、マリー・ローランサン、モーリス・ユトリロなど、約30点を紹介する。
「山王美術館コレクションでつづる エコール・ド・パリ展」
会期:2025年3月1日(土)〜7月31日(木)
会場:山王美術館(大阪府大阪市中央区城見2-2-27)
入館料:一般 1,300円、高校・大学生 800円 ほか
大阪の国立民族学博物館で開催される特別展「民具のミカタ博覧会 — 見つけて、みつめて、知恵の素」は、世界各地の民具を紹介する展覧会。約1,300点の民具を、「かたちと身体性」、「ユーモアと図案」、「見立てと表象」という視点から紹介する。
みんぱく創設50周年記念特別展「民具のミカタ博覧会 — 見つけて、みつめて、知恵の素」
会期:2025年3月20日(木・祝)~6月3日(火)
会場:国立民族学博物館(大阪府吹田市千里万博公園10-1)
観覧料:一般 880円、大学生 450円
大阪中之島美術館で開催される展覧会「生誕150年記念 上村松園」は、清澄で気品あふれる美人画を手がけた日本画家・上村松園を紹介する、大阪の美術館では初の大回顧展。重要文化財の《母子》や《序の舞》など、初期から晩年にいたる珠玉の作品100件以上を一堂に集め、松園の足跡をたどってゆく。
「生誕150年記念 上村松園」
会期:2025年3月29日(土)~6月1日(日)
会場:大阪中之島美術館(大阪府大阪市北区中之島4-3-1)
観覧料:一般 1,800円、高校・大学生 1,500円 ほか
大阪の国立民族学博物館で開催される企画展「点と線の美学——アラビア書道の軌跡」は、アラビア書道の伝統と革新を紹介する展覧会。なかでも、メディアという視点に着目し、コミュニケーションのデジタル化が進む現代において、手で文字を書くことの社会的な役割に光をあてる。
みんぱく創設50周年記念企画展「点と線の美学——アラビア書道の軌跡」
会期:2025年3月13日(木)~6月17日(火)
会場:国立民族学博物館(大阪府吹田市千里万博公園10-1)
観覧料:一般 580円、大学生 250円
グラングリーン大阪のVS.(ヴイエス)で開催される展覧会「安藤忠雄展|青春」は、建築家・安藤忠雄の大規模個展。大阪で16年ぶりの開催となる安藤の展覧会であり、既成概念を打ち破ってきた安藤の建築作品の軌跡を紹介する。
「安藤忠雄展|青春」
会期:2025年3月20日(木)〜7月21日(月)
会場:VS.(大阪府大阪市北区大深町6-86 グラングリーン大阪)
観覧料:一般 1,800円、大学生 1,500円
大阪のあべのハルカス美術館で開催される展覧会「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」では、20世紀のベルギーを代表するアーティストのひとり、ジャン=ミッシェル・フォロンを紹介。絵画や写真、ポスター、彫刻、オブジェ、アニメーションなど、約230点の作品を展示する。
「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」
会期:2025年4月5日(土)~6月22日(日)
会場:あべのハルカス美術館(大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス 16F)
観覧料:一般 1.900円、高校・大学生 1,500円、小・中学生 500円 ほか
大阪の逸翁美術館で開催される展覧会「四条派ですが、実は— 詩情派。呉春」では、叙情性と写実性をあわせ持つ「四条派」の始祖であるの画家・呉春を紹介。美術史ばかりでなく文学史の視点を交えつつ、重要文化財《白梅図屏風》をはじめとする80点の作品を展示する。
「四条派ですが、実は— 詩情派。呉春」
会期:2025年4月12日(土)~6月15日(日)
会場:逸翁美術館(大阪府池田市栄本町12-27)
観覧料:一般 700円、学生(高校生以上) 500円
大阪市立東洋陶磁美術館で開催される特別展「セラドン(CELADON)—東アジアの青磁のきらめき」は、世界屈指の東洋陶磁コレクションを誇る同館の所蔵作品のなかから、青磁作品を一挙公開する展覧会。国宝《飛青磁花生》を筆頭に、中国や韓国の名品を展示するほか、日本や近現代の作品も紹介する。
「セラドン—東アジアの青磁のきらめき」
会期:2025年4月19日(土)~11月24日(月・振)
会場:大阪市立東洋陶磁美術館(大阪府大阪市北区中之島1-1-26)
入館料:一般 2,000円、高校・大学生 800円
大阪の堺 アルフォンス・ミュシャ館で開催される特別展「ミュシャ 謎の絵画」は、アルフォンス・ミュシャのパリ時代の最後を飾る油彩画の大作《クオ・ヴァディス》の全貌に光をあてる展覧会。《クオ・ヴァディス》にいたるまでのミュシャの創作を、代表的な版画、挿絵、素描、油彩、ジュエリーとともに紹介するほか、堺の伝統技術「堺緞通」で織りあげた新作タペストリーを初公開する。
「ミュシャ 謎の絵画」
会期:2025年4月20日(日)〜8月17日(日)
会場:堺 アルフォンス・ミュシャ館(堺市立文化館)(大阪府堺市堺区田出井町1-2-200 ベルマージュ堺弐番館)
観覧料:一般 900円、高校・大学生 550円 ほか
大阪の中之島香雪美術館で開催される特別展「すべてを描く萬(よろず)絵師 暁斎 —河鍋暁斎記念美術館所蔵」は、江戸時代から明治時代前半にかけて活躍した絵師・河鍋暁斎の大阪初となる展覧会。埼玉の河鍋暁斎記念美術館の所蔵作品を中心に、香雪美術館が所蔵する狩野派作品や中国絵画を交えつつ、暁斎を正統派の絵師として捉えなおしてゆく。
特別展「すべてを描く萬(よろず)絵師 暁斎 —河鍋暁斎記念美術館所蔵」
会期:2025年4月26日(土)~6月1日(日)
会場:中之島香雪美術館(大阪府大阪市北区中之島3-2-4 中之島フェスティバルタワー・ウエスト 4F)
観覧料:一般 1,600円、高校・大学生 800円
大阪市立美術館で開催される特別展「日本国宝展」は、日本の国宝約130件が一堂に会する展覧会。「縄文のヴィーナス」と呼ばれる土偶や金印「漢委奴国王」から、長谷川等伯筆の《楓図》、《伝源頼朝像》や《日月四季山水図屏風》といった日本絵画、そして工芸まで、さまざまな国宝を目にすることができる。
大阪・関西万博開催記念 大阪市立美術館リニューアル記念特別展「日本国宝展」
会期:2025年4月26日(土)〜6月15日(日)
会場:大阪市立美術館(大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-82 天王寺公園内)
観覧料:一般 2,400円、高校・大学生 1,700円 ほか
大阪中之島美術館で開催される展覧会「日本美術の鉱脈展 未来の国宝を探せ!」では、日本美術の「知られざる鉱脈」に着目し、従来ほとんど注目されてこなかった作品や、一般には知られていないものの個性的な作品などを紹介。縄文土器や伊藤若冲などの江戸絵画、リュウノスケオカザキ(RYUNOSUKEOKAZAKI)のデザイナー・岡﨑龍之祐による新作などを展示する。
展覧会「日本美術の鉱脈展 未来の国宝を探せ!」
会期:2025年6月21日(土)〜8月31日(日)
会場:大阪中之島美術館(大阪府大阪市北区中之島4-3-1)