アシードンクラウド(ASEEDONCLOUD)は、2023年秋冬コレクション「kigansai」を牧人(羊飼い)の少女2人をモチーフに展開する。
少女たちが暮らす架空の物語において、大規模放牧に従事する牧人は、春になると民衆から依頼され羊、山羊、牛たちと共に秋まで放牧の旅に出る。しかし冬になると仕事はなくなり、民衆からは定住を望まれず居場所のない存在となるのだそう。例に漏れず冬になり居場所をなくした少女2人は、森の中へ入り、そこに暮らす守り神たちと仲良くなるのであった。
牧人というモチーフを分かりやすく示すのは、いかにも羊飼いといった襟付きトップスとふんわりと膨らんだパンツを合わせたルック。丈感のあるホワイトのワンピースは、民族衣装を彷彿とさせるようなラップ式を採用した。
羊と会話するために、羊の刈った毛を身に纏い対話していたという牧人の少女たちにちなみ、大きな鱗状に編まれたニットポンチョが登場。裾に配した大きめサイズのフリンジは、まるで動物の毛並みのよう。
冬に森の中へ入り、森の守り神たちと仲良くなった少女たちは、彼らから寒さを追い払うよう頼まれる。“寒さ”など見えない敵に抗う術として、古来よりしばしば用いられてきたのが呪術的で民族的な儀式などである。それらを活用していた古の時代を反映するように、プリミティブな柄をワンピースやコートに施した。
羊や山羊などから着想を得た柔らかな色や素材を用いているのも今季の特徴。トグルボタンと共にウエストを絞れる紐を配したダッフルコートや、丸みを帯びたパンツなどは柔らかなイエローに彩られている。なお、コートの裏地には、宗教画のようなタッチで牧人の日常を描いたオリジナルプリントが用いられた。