「ADVENTURE=物語を辿って」と題したエリアでは、モノクロ原画を読むことで、CLAMPならではのストーリーテリングの力に触れる。「聖伝-RG VEDA-」「東京BABYLON」「魔法騎士レイアース」「X -エックス-」「カードキャプターさくら」「ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-」の6作品の漫画本編の原稿約350点以上を展示する。
ここではストーリーテラーとしての魅力に触れてほしいとの思いから、ある程度ストーリーを体感できるような原画をピックアップ。各作品ごとに簡単なあらすじ紹介が書かれたパネルも設置されるので、CLAMPが創造する自由で力強い、儚くも美しい、時には過酷な運命や予想していなかった未来といった物語を辿ることができる。
CLAMP作品を読んだ時に感じる“まるで魔法にかかったかのような体験”ができるのは、次のエリア「MAGIC=魔法をかける」だ。巨大な3つの壁に映像を上映する没入感ある展示内容となっており、その中には数々のキャラクターたちが登場する。奇跡を起こす魔法陣、不思議で愛くるしい生き物たちも投影され、CLAMPが魅せる魔法の数々を体感できる。
「PHRASE=言葉の数々」のエリアは、CLAMPが紡いできた“言葉”の力をフィーチャーした「たった一つのCLAMPの言葉と出会う」体験型展示。主に2つの部屋が用意されており、1つ目の部屋では、「xxxHOLiC」本編の漫画原稿を約40点展示。“アヤカシ”が視える高校生、四月一日 君尋が不思議な力を持つ壱原侑子の“ネガイ”を叶える“ミセ”に迷い込み、運命を見透かすような侑子の幻想に戸惑いつつも人の運命や行く末は本人の選択次第であるということを学んでいく物語だ。それにちなみ、漫画の原画と共に魅力的な“言葉”の数々を紹介する。
2つ目の部屋ではCLAMP作品の独創的なフレーズの数々を実際に手に取り目にすることができる。部屋に置かれたミラー張りのボックスの中には、CLAMPの作品の中で紡ぎ届けてきた“言葉の一片”が入っている。箱の中から“くじ引き”感覚でシールを1枚選び、受け取った言葉の響きに酔いしれ、銀色の壁紙部分の好きなところに貼ることができる。シールは持ち帰ることも可能だ。
「IMAGINATION」エリアでは、漫画制作にとどまらず、アニメーションや絵本・コスチュームデザインなど多岐にわたり、創作活動を続けてきたCLAMPの軌跡をたどる。巨大年表による画業の歴史をはじめ、使用画材、アニメのキャラクター原案のスケッチなど貴重な資料展示によって、唯一無二の創作集団の作家像へと迫っていく。
近年では、フィギュアスケーター・羽生結弦とのコラボレーション企画として絵本『GIFT』を出版したほか、ハローキティ50周年のコラボレーションとして、コスチュームをデザインするなど、今後もその活動の幅は広がり続けていく。
また、CLAMPは創作において常に総合的なプロデュースを行っている。たとえばグラフィックデザインがその例。デビュー作『聖伝-RG VEDA-』から単行本の装丁を自身でデザインしており、初期のころから明確な意思を持ち本の装丁を手掛け、その後も続々と斬新な装丁を生み出していった。今や定番となったグッズ付きの単行本「特装版」も、元はCLAMPの発想力が生み出したものだといい、創造力やアイデアに満ち満ちていることが分かる。
展覧会の最終章となる「DREAM」エリアでは、今回の展覧会のためにCLAMPが描き下ろしたカラーイラスト原画を展示。がらんとした空間の中央に、光を浴びて展示される原画からはどこかCLAMP作品が持つ神聖な雰囲気すら感じられる。この特別なイラストには、“はじまり”から“いま”、そして未来へと続いていくという想いが込められている。
来場者全員プレゼントとして、全10種のビジュアルを使用した「記念レプリカチケット」を配布。曜日ごと、さらに前期と後期によってもビジュアルが異なるので好きなキャラクターは何曜日なのかをあらかじめ確認しておくことをおすすめする。また、早割チケットには、クリアしおり付きチケットホルダー付きのグッズ付きチケットもあるので、気になる人は訪れる前にチェックしておきたい。