エファップ・ジャポン学長 伊藤美恵(左)と山本耀司(右)

アタッシェ・ドゥ・プレス養成学校のエファップ・ジャポンで、「人間力」と「コミュニケーション力」を備えた人材を育てるということをテーマとし、ヨウジヤマモトのデザイナー山本耀司氏と、エファップジャポン学長の伊藤美恵氏によるスペシャル講義が行われた。

山本氏の要望により、事前の打ち合わせなしで始まった今回の講義は、山本氏と兼ねてより交流があり、笑いながら「くされ縁」という伊藤美恵氏との対談形式。打ち合わせなしでも息のあった二人は、ざっくばらんに、そして深いところまで言及した内容となった。特に山本氏は様々なエピソードをからませて、自身の経験をもとに若い受講生に対して多くを語りかけた。

講義の冒頭で山本氏は今回の講義に参加した経緯について触れたのに続き、「日々美しいものが地球から消えていっている。服の美しさを雑誌等で外から見るだけでなく、服作りを通じて内側から感じて欲しい。」と話した。

「どういう人がもの作りに向いている？」との質問に対して、アレキサンダーマックイーンやカールラガーフェルドを例に出して「いい人にしかいいものを作れない」、そして古典をしっかり勉強することが大事、と基本を知ることの必要性について語った。

そして、来年3月よりイギリス・ロンドンにあるVictoria & Albert Museumで展示会を準備中であることが発表された。その展示会のアートディレクターに壁面に絵画を書くことを薦められたエピソードを交えながら、自身の絵画への興味について語り、「平面は人間の表現活動及び原点」と話した。

「どういう人がアタッシェ・ドゥ・プレスに向いている？」との質問には伊藤氏が以下の3つの要素をあげて説明。
サッカー日本代表元監督のオシム氏の言葉を引用し、
1) 人より早く走れ (忙しい業務であるから人よりも素早く仕事をする)
2) 頭を使え (ただ作業をこなすのではなく、常に考えながら仕事をする)
3) コミュニケーション力 (コミュニケーション力がない人はアタッシェ・ドゥ・プレスの仕事に向いていない)
これらの事柄はサッカーに限らず、アタッシェ・ドゥ・プレスの仕事においても非常に重要であると語った。

最後に山本氏は「自分が今いる場所で常に一番になれるように努力しろ」というメッセージを残し、講義が締めくくられた。