毎シーズン、シチリアから得たインスピレーションを基にコレクションを発表している、ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)。2015年春夏のテーマは「1516年から1713年、スペインの影響下にあったシシリー(シチリア)」だ。
レッドカーペットさながらの真っ赤なランウェイを歩くのは、体躯のいいモデルたち。それが象徴するように、今季のキーとなったのは、まるで炎のような「赤」と「黒」の装飾とのコントラストだ。
ボディラインにフィットする細身のシルエットののスーツを挿みながら、プルオーバーのカジュアルなルックが半分といったショーの構成で、テンポよく繰り広げられる。
特徴的なルックは、クロップト丈のエンブロイダリー・ジャケットと、ふくらはぎの真ん中あたりでカットされたテーパードパンツ。ジャケットはベルトよりも高い位置でカットされ、コンパクトなシルエットで、ドレッシィな装飾が施されている。刺しゅうやジャカードといった豪華なテキスタイル、技法やテイラリングはブランドの歴史があってこそのものだろう。
また、闘牛や聖マリアの肖像など伝統的・宗教的・民族的なモチーフが描かれたオーバーサイズのTシャツに、ロザリオネックレスを合わせるといった、カジュアルとゴシックが融合したブランド流のスポーティルックも提案されている。最後は、輝く真紅のセットアップの男たちの行進が情熱的なフィナーレを飾った。