ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)の2022年春夏メンズコレクションが発表された。テーマは「DG ライト セラピー(LIGHT THERAPY)」。
今シーズンは“光”をキーワードにコレクションを製作。“喜びの象徴”“ポジティブへと繋がる招待状”など、前向きなメッセージとともに説明されたこのキーワードは、大胆かつシンボリックにコレクションに落とし込まれている。
赤や青、緑など色とりどりのクリスタルが並んだエンブロイダリー。カジュアルなボンバージャケットやオーバーサイズのトップスの上に施されたその装飾は、冬の街中で見られるイルミネーションのような輝きで、紳士服にロマンティックな表情をもたらしている。
特に、サルトリアを象徴づけるパンツスーツのルックでは、夜空のような漆黒のテキスタイルの上で、見事なコントラストを描きながらカラフルな光を放ち、色と光という今季のコンセプトを美しく表現していた。
光の表現方法は、手作業によるクリスタル刺繍だけにとどまらず、ラメ糸を組み合わせたジャカードによる織での表現や、プリントでの表現など、バリエーション豊か。
スリムパンツとロングシャツのセットアップスタイルでは、万華鏡やイルミネーションを想起させる“光”のシーンをデフォルメさせて鮮やかにプリントし、楽しげな雰囲気をもたらしている。
また、光と並んで、今季着目したのは2000年代の美学だ。「世界の様々な国のトレンドやスタイルを融合させた時代だった」と、2000年代を解釈するドルチェ&ガッバーナは、その象徴として“ローライズのボトムス”をセレクト。下に重ねたアンダーウェアから「DOLCE&GABBANA」のロゴを覗かせるなど、どこか懐かしさを感じさせるそのスタイルを保持しながらも、再解釈を加えて、未来のファッションへと繋げている。
繰り返し提案されたのは、ローライズのデニムパンツ。イニシャルロゴ入りのレザーベルトと組み合わせてアイコニックに着こなしながらも、“デニムパンツ”という名の限られたキャンバスの中で、一つひとつに唯一無二の個性を与えている。
流れるようなタッチでクラッシュさせたダメージデザインや、イルミネーションのような輝きを放つクリスタル装飾を施したモデル、ホワイトブリーチ加工をプラスして、インディゴが持つ色の表現の幅を際立たせたタイプなどが揃った。
また、ドルチェ&ガッバーナの変わらぬイタリアへの愛は、今季も情熱的に表現されている。オーバーサイズのタンクトップやハーフパンツなどのスポーティなルックは、グリーン・ホワイト・レッドのトリコロールカラーで染め上げ、イタリアンスタイルへ昇華。さわやかなホワイトTシャツにも「Italy」のロゴをプリントして、ミラノブランドの誇りをプレイフルに表現している。