ヴァレンティノ(VALENTINO)がフランス・パリで2015年春夏のメンズコレクションを発表した。インスピレーション源は、世の中の運動、集団、流派などにとらわれることなく、自由な発想をもったアウトサイダーやフリーシンカーたち。既存の概念に囚われない大人のリラックススタイルが登場した。
今季は、正確なシルエットにボリューム感をもたせた、控えめなリラックス感が特徴。ドロップショルダーのジャケットや丈の長いシャツ、大きめのコートなど、ゆったりとボリュームのあるスタイルが目立つ。また、スーツの下に長袖のポロシャツを合わせたり、パンツをショーツにしたり、サンダルを履いたり……と、コーディネートでも肩の力を抜いている。
また、動物寓話やたくさんの種類のボタニカル、幾何学模様、ダンサーなどバラエティ豊かな柄のプリントが目を引く。中には異なる柄をひとつのコーディネートの中に投入しているスタイルも。また、オートクチュールのフィールドジャケットやアーミースタイルの洋服には、蝶の柄が一面に描かれたブロケードの生地を使っており、力強さの中にも優しさやファンタジーが伝わってくる。
リラックスした印象でも使っている素材は一流。絹シャンタン、 ビスコースブレンド、ブロケード、シャンブレー、カシミアやシルクなど、高級でありながら、自然な雰囲気があふれている。
カラーパレットはストーン、ルビー、ミント、スカイブルー、サンドなど、オーガニックな雰囲気の色使い。落ち着いた印象ながらも大人の色気が漂う色調だ。リラックスしながらも、意外性のあるコーディネートや柄使い、高級な素材選びで、自由かつユニークなデザインに仕上がった今回のコレクションは、デザイナー、マリア・グラツィア・キウリとピエールパオロ・ピッチョーリ流の“アウトサイダー・ファッション”となった。