ヴィヴィアーノ(VIVIANO)の2024年秋冬コレクションが、2024年3月12日(火)、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪 貴賓館にて発表された。テーマは“What‘s New?”。
2023年秋冬コレクションのテーマ、“愛”を彷彿とさせるほどに、今季のコレクションも愛に溢れていたと言えるだろう。そんな今季のファーストルックを飾るのは、燃え盛るような愛を思わせる赤に彩られた、レースのドレス。アシンメトリーの裾は、一部床を擦るほどに長く設定され、時に別れを惜しむ恋人たちのように脚に絡みつき、時に淡白にモデルの歩みに合わせて風を切る。
今シーズン目を見張るのは、そのハートモチーフの多さ。トップスの8割を占めるほど大きなリボンがあしらわれたトップスをはじめ、ぴったりと身体に沿うトップスやタイツ、ファー素材のアウター、スカートなどに用いられ、コレクションに文字通り愛を溢れさせた。
中国出身、アメリカ育ちというバックグラウンドを持つデザイナー、ヴィヴィアーノ・スーのルーツが感じられるチャイナ服の要素を落とし込んだルックが繰り返し提案されたのも今季の特徴の1つ。一般的にチャイナボタンと総称される紐で結んだボタンが、ファー素材のアウターやデニムジャケットに添えられた。このほか、極端に袖の長いチャイナ風のシアードレスも登場した。
シルエットは総じてボリューミーだ。ブランドが得意とするチュールをたっぷりと重ねたり、何層ものフリルで構成したりしたドレスやトップスがその好例。
そんな中、重ねたチュールとは異なるボリューミーさを感じさせたのが、卵型に膨らんだスカートだ。ふんわりと楕円を描いたスカートは、スタンドカラーのシアーシャツとフロントをリボンで留めたアウターに合わせてコーディネート。スリットの入った裾から覗くレースタイツも印象的であった。
カラーパレットは、赤、黒、青をメインに構成。時折、ピンクやイエロー、ライトブルーを差し込み、ヴィヴィッドな色彩の中にライトな色合いをプラスした。