エトロ(ETRO)の2025年春夏ウィメンズコレクションが、イタリアのミラノで発表された。
“旅”をテーマに掲げる今季のエトロ。目的地だけでなくその過程をも楽しむ“旅”になぞらえ、直感・閃きに導かれるまま次々にデザインを繰り出していくような自由なコレクションを展開し、無限の可能性を秘めた“創造の旅”を描き出す。
そうした直感や閃きの流動性を反映するかのように、トップスやドレス、スカート、パンツは、流れるように曲線的なシルエットがメイン。一方、そこに突如現れる直線的なテーラードジャケットは、意外性、あるいは創作におけるアイデアの突発性を感じさせる。
さらに、胴の半分程度に仕立てたミニ丈のトップス、腕から胴までをひと続きに覆うメッシュ、ボタンによって左肩部分を開けるニットなど、枠に縛られない味のあるピースが複数登場。思い浮かぶデザインをそのまま具現化するという、自由でプレイフルな姿勢が滲み出る。
そして、ボタニカル柄やペイズリー柄、アラベスク模様といった多彩なパターンが、今季もコレクション全体を覆う。ドレープ感のあるドレスやスカートでは、生地が揺れ動くたびに、各々の柄が隠れては花開くようにまた柄が現れ、有機的な表情が強調される。
“地中海”の雰囲気を醸し出すショー会場とマッチするように、カラーパレットは、オレンジやグリーン、ブルーなど、鮮やかな色彩を惜しみなく使用。コレクション全体に活気をもたらし、さらに“旅”を続けるエトロのエネルギーを印象づけた。