バレンシアガ(BALENCIAGA)の2025年夏コレクションを紹介。
今季のバレンシアガは、アーティスティック・ディレクターであるデムナが持つ、ファッションに関する初期記憶に回帰。段ボールにルックを描き、切り取ったものを祖母のダイニングテーブルにて“ファッションショー”として披露していた35年前と現在を結び付け、デムナらしいユニークな切り口で記憶を辿るコレクションを展開していく。
ランウェイ前半で散見されたのは、体躯にぴったりと沿うシルエットのランジェリーディテール。トロンプルイユとしてランジェリーのディテールがあしらわれているスキントーンのボディスーツをはじめ、ブラックの繊細なレース柄が目を惹くコルセット、透け感のあるニーハイソックス風パンダシューズなど、センシュアルな雰囲気を纏うアイテムが印象的だ。
フェミニンなムードから一転、構造的なシルエットが登場したのも今季ならでは。たとえば、バレンシアガの創業者であるクリストバル・バレンシアガから着想したドレス。平行かつ広く取ったショルダーラインからウエスト、裾にかけて美しいAラインを描いている。ブラックのサテン生地を用いた、マントのような装いもキャッチーだ。
また、腰ぎりぎりの位置で穿くスーパーローウエストのジーンズには、コクーン型シルエットが特徴的なブルゾンやレザージャケット、360度目もとを覆うアイウェアを合わせ、カジュアルながらも洗練されたルックへと昇華させていた。
手元には、紙袋のショッパーに着想したハンドバッグ「ナノ(NANO)」を持って。モデルたちは、折り目付きバッグのトップハンドルを片手に、颯爽とランウェイを駆け抜けていた。