ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)がパリ・ファッション・ウィークにて2011年春夏コレクションを発表した。
「アヴェ・マリア」をBGMに最初に登場したのはオール・ブラックのドレス群。たっぷりとしたロング丈のものもミニ丈のものも、シースルーのヴェールや大きなショールが修道女をイメージさせる一方で、コンバット・ブーツがヨウジらしい反骨精神を感じさせる。
やがて音楽はギターをかき鳴らすロックへと変化する。同時に服にはカラフルでサイケデリックなデジタルプリントのレギンスやシューズが加わり、一気にパンクな印象が強まる。その後音楽は再び「アヴェ・マリア」に戻り、服もモノトーン中心に変化するが、この修道女のようなスタイルとロックなスタイルの往復はショーを通じて何度も行われる。
プレーンなブラックのロング・ドレスにはビーチ・サンダルを合わせる。水着のようなブラトップとトップのないストローハットには黒のロング・ローブを合わせ、厳かな趣きを与える。この力の入れ方と抜き方の絶妙さこそヨウジの真骨頂だ。
ラスト・ルックはイエローのパラソル・スカートに、「THIS IS ME」という言葉をプリントした黒のTシャツ。そしてBGMは「Like A Rolling Stone」。自らを皮肉る彼は小気味よく自信にあふれ、爽快感いっぱいのコレクションで今回も観衆を魅了した。