展覧会「須田悦弘」が、東京の渋谷区立松濤美術館にて、2024年11月30日(土)から2025年2月2日(日)まで開催される。
草花をモチーフに、本物と見紛うほどに精緻な木彫作品を手がけてきた須田悦弘(すだ よしひろ)。1969年に生まれ、独学で木彫の技術を磨いた須田は、実物大でさまざまな植物の彫刻を制作し、それらを思いがけない場所に置いて空間全体を作品化する、独自の世界を展開してきた。
展覧会「須田悦弘」は、東京都内の美術館では25年ぶりとなる須田の個展。初期作品からドローイング、古美術品の欠損部分を木彫で補う補作の作品、そして本展のための新作まで、須田の作品を紹介する。
本展では、「哲学の建築家」と称される白井晟一(しらい せいいち)の設計による渋谷区立松濤美術館を舞台に、須田の作品を展示。曲線を多用したユニークな建築空間に、草花や雑草をモチーフとした木彫作品を、ひそやかに置く。
また、須田の貴重な初期作品を多数紹介。須田は、多摩美術大学のグラフィックデザイン科に在籍していた際、授業でスルメを彫ったことを契機に、木彫を始めることになった。会場では、この木彫作品《スルメ》や、初めて彫った植物の作品《チューリップ》を展示するほか、大学の卒業制作を卒業後初公開する。
さらに、須田が近年取り組んでいる、古美術の「補作」の作品も。補作とは、古美術の欠損部を補うことを指す。須田が初めて行った補作は、鎌倉時代に遡る神鹿像《春日若宮神鹿像》であり、一見するとどこを補作したのかがわからないほど精緻に仕上げられている。本店では、須田の観察力と技術が発揮された補作を目にすることができる。
展覧会「須田悦弘」
会期:2024年11月30日(土)〜2025年2月2日(日)
会場:渋谷区立松濤美術館
住所:東京都渋谷区松濤2-14-14
開館時間:10:00~18:00(金曜日は20:00閉館)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(1月13日(月・祝)は開館)、12月29日(日)〜1月3日(金)、1月14日(火)
入館料:一般 1,000円(800円)、大学生 800円(640円)、高校生・60歳以上 500円(400円)、小・中学生 100円(80円)
※( )内は団体10名以上および渋谷区民の入館料
※土・日曜日、祝休日は小・中学生無料
※毎週金曜日は渋谷区民無料
※障がい者および付添者1名は無料
※リピーター割引:観覧日翌日以降の本展期間中、有料の入館券の半券と引き換えに、通常料金から2割引きで入館可(1枚の入館券につき1回まで有効)
【問い合わせ先】
渋谷区立松濤美術館
TEL:03-3465-9421