モスキーノ(MOSCHINO)が、2014年9月18日(木)に2015年春夏コレクションをミラノで発表した。
この日最後に行われるショーを見るために、会場内も外もモスキーノフリークたちで賑わい、ごった返す夜。ファストフードクルーの痛快なパロディで前シーズン話題を呼んだモスキーノの今季は、ショッキングピンクの玩具のコームがインビテーションとなり、観客は皆それを握りしめている。どこかで見たことのあるラブリーなコームから、「これはもしや……」というワクワクする期待感は、多くの人が感じたであろう。
そして幕を開けたショーは、アクア(Aqua)の『Barbie Girl』でリズミカルにスタート!メロディとともにノリノリで歩いてくるモデルたちのヘアは、まさにお人形そのものの。ボディコンシャスなジャケットとマイクロミニのセットアップ、ロゴ入りニットなど、ホットピンクのキュートなワードローブがランウェイを賑やかに彩る。
思わず笑ってしまう、サプライジングな演出で会場はさらに盛り上がる。アメリカのホームドラマから飛び出してきたようピンクのブラトップとショートパンツ姿のモデルは、なんとローラーブレードでランウェイを爽快に滑走。危なっかしくも軽快にターンする様子に観客は釘づけだ。そんな彼女は、ロゴ入りのヘアバンドやリストバンド、さらには超ミニサイズのリュックをチャーミングに身に着けていた。その他にもミラーやカメラ型のiPhoneケース、ラジカセバッグなどアイコニックなアイテムが目白押し。
また日本人の視点からすると、今季のコレクションは80年代から90年代の日本のバブリーなムードも思い出させる。ビキニがあしらわれたノーカラージャケットとスカートのセットアップ、チェーン柄のボディスーツやドレスなど、煌びやかなDC時代を彷彿とさせた。
全てのルックが強烈なインパクトのため特筆するのは難しいが、あえて言うならば規定のサイズにとらわれないビッグボタンやチェーン、スパンコールのディテールは面白い。パイピングのトレンチコートの金ボタンはびっくりするほど大きかったり、ベアトップが巨大なバックルになっていたりと、ジェレミーの斬新すぎるアイディアには脱帽だ。最後は妖精のようなミニドレス、マスキュリンなモーニングのセットアップ、大きなフリルのドレスといったパーティルックで締めくくる。愉快さを増した、ジェレミーにとって2度目となるモスキーノのショーが幕を閉じた。