エルメス(HERMÈS)が、2015年春夏コレクションをパリのリュクサンブール公園の温室にて発表した。
今季はアーティスティック・ディレクター、クリストフ・ルメールによるラストコレクション。美しい砂漠のように、砂が敷き詰めらた会場をモデルたちが颯爽と歩いて登場した。
柔らかいオレンジ色の幕から現れたのは、白い太陽光線を表すホワイトルックの連なり。コットン、シルク、リネンなどを用いた装いは、上品さと軽快さを携え、ミニマルなノーカラーコート、ギャザー使いが表情豊かの膝丈ドレスなどが展開される。風をはらむように丸みをおびたブラウスやプリーツスカート、アシンメトリーなデザインのアフガン風コートといったフェミニンとメンズライクの融合は、ルメールらしいエフォートレスな仕上がりに。
エルメスならではのパイソン、ウォータースネイク、クロコダイルなどのレザーの滑らかな質感は、シルクニットなどの異素材との組み合わせが特徴的だ。クラシカルなノーカラーコート、マニッシュなジップアップブルゾンといったアウターはもちろん、シャツ、巻スカート、ショートパンツにもレザーが使用され、リラクシングな装いにリュクスなムードを織り交ぜた。
中盤からの流れはアフリカの香りが漂い、よりエスニックなテイストに変化。マドラスチェック、アフリカのロウケツ染めからインスピレーションを受けたプリント、インディゴブルーや赤などの配色に切り替わり、ランウェイは快活なムードに。大ぶりの柄はゆったりとしたシルエットのワンピースに、また深みのあるブルーはテーラードジャケットとセンタープレスパンツなどを彩る。ストリングやジップをあしらったアウターをドレスやスカートなどに合わせ、エレガントとスポーティを自然に調和させたルックも時折はさまれた。
そしてシューズはヒールもフラットも登場するが、足首に太いストラップにすることで、ナチュラルな装いを引き締める。パンツルックにはローファーを合わせて、タイムレスなスタイリングを実現した。