エルメス(HERMÈS)財団が東京・銀座に展開する銀座メゾンエルメス フォーラムでは、展覧会「スペクトラム スペクトラム(Spektrum Spektrum)」を、2025年3月20日(木・祝)から6月29日(日)まで開催する。
「スペクトラム(spektrum)」とは、「スペクトル(spectrum)」を意味するドイツ語の単語だ。この「スペクトル」という言葉は、光や音など、物理的現象における分布を指すとともに、亡霊や幻視といった超自然的な存在、そして比喩的に扇子を意味するというように、幅広い意味の広がりを持っている。
展覧会「スペクトラム スペクトラム」は、「スペクトラム」という言葉が含みもつ意味の広がりを、「鏡」のような道具として用いるグループ展。ドイツ・ベルリンを拠点とするエマニュエル・カステランをはじめ、マリー・ローランサンや津田道子など、7人の美術家を取り上げ、真実の虚構の「あいだ」にある場所を立ち上がらせることを試みてゆく。
エマニュエル・カステランは、1976年フランス・オリヤックに生まれ、2011年からはベルリンを拠点に活動。筆致や切り込みを幾層にも重ねた絵画を手がけており、額縁にとらわれずに壁にも直接描くなど、有機的に空間と溶けあう展示空間を作りだしている。
また、1979年ドイツ・イェーナに生まれ、現在はハレで活動するヨハネス・ナーゲルは、粘土そのものの物質性に着目しつつ、鮮明な発色、非対称、不調和、表面の粗さや滑らかさを示す陶芸作品を手がける一方、1980年神奈川に生まれた津田道子は、映像原理を用いて、時間と空間のねじれを可視化させる作品を発表してきた。
そのほか、本展では、マリー・ローランサン、題府基之、川端健太郎、ヴァルター・スウェネンらが出展する。
なお、本展は、東京とベルギー・ブリュッセルにあるふたつのエルメスのギャラリーの協働による展覧会。ブリュッセルの「ラ・ヴェリエール(La Verrière)」では、2024年、エマニュエル・カステランの個展として「スペクトラム」を開催した。銀座メゾンエルメス フォーラムの展覧会「スペクトラム スペクトラム」では、同展から展開したグループ展となる。
展覧会「スペクトラム スペクトラム」
会期:2025年3月20日(木・祝)~6月29日(日)
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム 8・9F
住所:東京都中央区銀座5-4-1
開館時間:11:00~19:00(入場は18:30まで)
休館日:水曜日
入場料:無料
■出展作家
エマニュエル・カステラン、題府基之、川端健太郎、マリー・ローランサン、ヨハネス・ナーゲル、ヴァルター・スウェネン、津田道子
【問い合わせ先】
銀座メゾンエルメス フォーラム
TEL:03-3569-3300