横浜美術館では、リニューアルオープン記念展「おかえり、ヨコハマ」を、2025年2月8日(土)から6月2日(月)まで開催する。
リニューアルを経て、2025年2月に全館オープンを迎える、横浜美術館。リニューアルオープン記念展「おかえり、ヨコハマ」では、パブロ・ピカソやルネ・マグリット、奈良美智といった同館のコレクションを、主に横浜市内の施設が所蔵する作品や資料とともに紹介する。
本展のキーワードとなるのが、美術館が所在する「横浜」、そしてリニューアル後の活動理念の軸である「多様性」だ。横浜にまつわる作品のなかでこれまで目を向けられることの少なかった、女性や子ども、開港以前の横浜に暮らした人々、さまざまなルーツを持つ人々などに着目しつつ、横浜美術館を代表する作品や横浜の歴史に新たな視点から光をあててゆく。
たとえば、展覧会の序盤では、「横浜の歴史は開港に始まり、それ以前は小さな漁村にすぎなかった」という、横浜の決まり文句を再考。「女性」や「子ども」といったテーマのもと、《人面付土器》など、横浜周辺に暮らしてきた人々が使ったものや遺したものを紹介する。
1859年に横浜が開港すると、西洋風の街並みや鉄道などの風物は、多色刷りの錦絵となって流通することになった。また、この地では、外国人向けの土産物屋輸出品として、多くの絵画や工芸品が作られている。本展では、昇斎一景の《汐留より蒸気車通行の図》といった近代化にまつわる作品のほか、明治時代を代表する陶工・宮川香山による《高浮彫牡丹ニ眠猫覚醒大香炉》、土産品として絵画を制作した五姓田芳柳の作と伝わる《外国人女性和装像》などを目にすることができる。
1923年の関東大震災で被害を受けた横浜は、1930年には山下公園が完成し、また焼け落ちた橋梁が架け替えられるなど、徐々に復興を果たしてゆくことになる。会場では、震災の復興から戦時下にかけての横浜の姿を、川や橋を描いた作品を通して紹介。なかでも、洋画家・松本竣介を代表するシリーズ、横浜駅近くの月見橋を描いた「Y市の橋」は、横浜初のまとまった展示となる。
本展の終盤は、横浜美術館の設立過程と新たな船出がテーマ。ルネ・マグリットの《王様の美術館》やポール・セザンヌの《縞模様の服を着たセザンヌ夫人》など、同館の名品を公開するほか、奈良美智の《春少女》といった2010年代以降の作品、身体をテーマに活動を行うアーティスト・檜皮一彦に制作を委嘱した新作を展示する。
横浜美術館リニューアルオープン記念展「おかえり、ヨコハマ」
会期:2025年2月8日(土)〜6月2日(月)
会場:横浜美術館
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
開館時間:10:00~18:00(入場は閉場30分前まで)
休館日:木曜日(3月20日(木・祝)は開館)、3月21日(金)
観覧料:1,800円(1,700円)、大学生 1,500円(1,400円)、中学・高校生 900円(800円)、小学生以下 無料
※( )内は、有料20名以上の団体料金(要事前予約。美術館券売所でのみ販売)
※障がい者手帳の所持者および介護者1名は無料
※「おかえり、ヨコハマ」展チケットにより、同時開催の横浜美術館コレクション展も観覧当日にかぎり入場可
【問い合わせ先】
横浜美術館
TEL:045-221-0300