東京・白金台の松岡美術館では、企画展「開館50周年記念 おいでよ!松岡動物園」を、2025年6月17日(火)から10月13日(月・祝)まで開催する。
アートコレクターの松岡清次郎が集めた美術品を公開するため、1975年に開館した松岡美術館。そのコレクションは、中国陶磁を筆頭に、世界各国の陶磁器や西洋画など、松岡自らの眼にかなった“美しいもの”がおよそ2,400点にも及ぶ。
開館50周年となる2025年には、3会期にわたって、松岡美術館の所蔵作品を紹介。第1弾では、選りすぐりの東洋陶磁や日本画を集めた企画展「開館50周年記念 1975 甦る 新橋 松岡美術館 —大観・松園・東洋陶磁—」を開催。続く第2弾となる企画展「開館50周年記念 おいでよ!松岡動物園」では、館蔵品の中から動物をモチーフとした作品を集め、テーマごとに展示していく。
見どころは、近代日本画の巨匠である横山大観と下村観山が描いた動物画だ。横山大観が《木菟》で描いたのは、竹にひっそりと佇むミミズク。金色の瞳以外は墨のほんのりとしたタッチを使い、温かみを感じる作品となっている。また下村観山の《杉に栗鼠》では、杉が生える林で、シマリスが木のみを頬張る様子が描かれている。
世界の動物をモチーフにした工芸品や出土品の数々も登場。中国文明の黄金時代と称される“唐の時代”に葬儀で用いられた、馬をモチーフにした出土品《三彩馬》や、イランで1200年前後の時代に生まれた、象がモチーフの出土品《青釉銀化象》など、古いものから新しいものまで、まるで動物園のように作品が展示される。同じ動物をモチーフにしながら、国や文明の違いで様々な姿・形をした作品群を、見比べてみるのも楽しい。
また、古代エジプトで神として扱われた動物作品も集結。崇拝されていたのは、天空の神のモチーフである鳥や、人や家を守る神のモチーフの猫、多産豊穣の神として崇拝されていた牛など。本展では、古代エジプトの時代に生まれた鳥型の工芸品《ホルス》、猫型の工芸品《バステト女神》といった希少な作品を目にすることができる。
このほか、芸術の中心地として栄えたフランスのパリで活躍した、ピエール=オーギュスト・ルノワールやパブロ・ピカソ、アメデオ・モディリアーニ、マリー・ローランサン、キスリング、キース・ヴァン・ドンゲンなどの作家が描いた肖像画も展示される。
【詳細】
企画展「開館50周年記念 おいでよ!松岡動物園」
開催日程:2025年6月17日(火)〜10月13日(月・祝)
※前期・後期で絵画作品の一部展示替えがあり。
<前期>6月17日(火)〜8月17日(日)
<後期>8月19日(火)〜10月13日(月・祝)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)
時間:10:00〜17:00(最終入館時間 16:30)
会場:松岡美術館
住所:東京都港区白金台5-12-6
入館料:一般 1,400円、25歳以下 700円、高校生以下 無料
※障がい者手帳の所持者と介助者1名まで半額。
【問い合わせ先】
松岡美術館
TEL:03-5449-0251