企画展「美しい人びと 松園からローランサンまで」が、東京の松岡美術館にて、2023年2月21日(火)から6月4日(日)まで開催される。
日本では、古来より女性の姿が描かれるばかりでなく、物語の登場人物として親しまれる在原業平や光源氏といった男性もまた、絵画や工芸などにあらわされてきた。企画展「美しい人びと 松園からローランサンまで」では、松岡美術館のコレクションから、年齢や性別にとらわれない「美しい」人びとを紹介。上村松園や鏑木清方といった日本の画家の作品ばかりでなく、マリー・ローランサンやモーリス・ドニなどの西洋絵画も展示する。
なかでも注目は、上村松園がその最盛期に描いた《春宵》。春の宵を背景に、年かさの女性の囁きにかすかに微笑む若い芸妓が描かれた同作は、ふたりの女性の表情、仕草、化粧、着衣、そして結髪などが繊細に描き分けられ、松園の徹底した美意識と的確な描写力をうかがうことができる点が特徴だ。松岡美術館の日本画コレクションのなかでも人気の高い《春宵》は、長期休館からの再開後、初公開となる。
そのほか、下村観山《山寺の春》と大山忠作《辨慶(市川団十郎)》という、日本画の名手が描く牛若丸・弁慶の主従の姿、葛飾北斎の代筆を務めたとも伝えられる腕を持つ蹄斎北馬の《三都美人図》、そしてマリー・ローランサン 《若い女》などを展示する。
また、企画展とともに「憧憬のペルシア」を同時開催。イスラーム時代に中近東で作られた陶器「ペルシア陶器」のコレクションから約50点を一挙に公開する本展示では、貴人や動物、幾何学文様を描いた鉢や、ターコイズブルーの水差し、華やかなラスター彩の壺などを目にすることができる。
さらに、館内の通年企画「古代オリエント 創造の源」では、コレクションのなかでもっとも古い年代の古代オリエントの作品群から、彫像を紹介。トルコの《横たわる女人像》をはじめ、イラクやギリシアなど、古代オリエン トの作品を公開する。
企画展「美しい人びと 松園からローランサンまで」
会期:2023年2月21日(火)〜6月4日(日) 会期中に一部展示替えあり
[前期 2月21日(火)〜4月16日(日) / 後期 4月18日(火)〜6月4日(日)]
会場:松岡美術館
住所:東京都港区白金台5-12-6
開館時間:10:00~17:00(毎月第1金曜日は19:00まで)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日(金)〜1月4日(水))
入館料:一般 1,200円、25歳以下 500円
※高校生以下、障がい者手帳の所持者は無料
【問い合わせ先】
松岡美術館
TEL:03-5449-0251