2010年10月19日、アキラナカ(AKIRA NAKA) が2011年春夏コレクションを発表した。今期のテーマは『THE GIFT』。
これまで、デザイナーである中章氏が持つ「女性」という抽象的なイメージの中で、彼の理想とする強い女性像を描き出してきたという同ブランド。しかし、今回は、特定の女性へコレクションを捧げたいとの思いで作り上げたものだという。その女性とは、クリスティーナ。あるフォトグラファーの妻であり、そのフォトグラファーが生涯モデルにしてきたという実在する女性だ。
これまでアキラナカが提案してきたような、「強さ」を既に持ち合わせている女性だったというクリスティーナに、どのような洋服をプレゼントしたら喜び、また、彼女をより美しくシックに見せることができるだろうかと考えてデザインされたという今回のコレクション。無駄が削ぎ落とされ、シンプルでありながら、大胆なカッティングを施したリズム感のある美しいラインのルックが展開された。
また、モノトーンで統一されたコレクションの中で、印象的なアクセントとなっていたグラフィックプリント。北欧のグラフィックアーティストとのコラボレーションで生まれたというこのグラフィックは、蛾の羽や地層といった自然の中からエレメントを取り出し、再構成され生み出されたものだという。
そして、コレクション全体が直線的で鋭角なラインでデザインされていながら、所々に丸みを帯びたシルエットが隠されていたり、柔らかな素材が使われていたのも印象的。クリスティーナという女性の強さや優しさ、シックなイメージを感じさせる、アキラナカらしいスタイリッシュでエレガントな世界観が表現された。