ミントデザインズ(mintdesigns)の2025-26年秋冬コレクションが、2025年3月17日(月)に発表された。
テーマは、「ポジティブシェイプ アンド ネガティブシェイプ(POSITIVE SHAPE AND NEGATIVE SHAPE)」。ポジティブシェイプとは対象物そのもの、ネガティブシェイプとは対象物以外の部分を指す言葉だ。今季は、衣服のなかのポジティブシェイプとネガティブシェイプに着目し、対象物の周りや間にある空間や“余白”を意識したクリエーションを行っていく。
特に印象的なのは、衣服のレイヤードによって余白を浮かび上がらせるスタイル。幾何学的なラインの襟をあわせたロングシャツは、柄物のトップスとコーディネートし、首元と下半身に洗練された余白を与えた。
また、シンプルな白シャツには、胸元のV字を深く開いたボーダーベストをコーディネート。同柄のワイドパンツも相まって、シャツのホワイトがバランスよく際立ち、すっきりとした印象に仕上げている。
トップスの袖に穴をくり抜いたり、テキスタイルの柄や素材を切り替えたりなど、計算された“空白”によって引き出される個性的な表情も魅力。両袖に大胆な穴をあけたトップスや、整然と並ぶ格子柄が抜け落ちたかのように無地の素材に切り替わるジャケット、パンツなどが登場した。
シルエットは、身体をやさしく包み込むような、ゆったりとしたラインが主流。しかし、そのリラクシングなムードは単なるルーズさではなく、洗練された印象へと昇華されているのが特徴的だ。例えばショート丈のベストやふんわりとしたケープは、上半身に重心を集め、視線を上に引き上げた。加えて、儚げなシアーカットソーもレイヤードで効果的に用いられ、上品な雰囲気を醸し出している。
カラーパレットは、シルエットやグラフィックを際立たせるモノトーンが中心。ブルーのトワルドジュイ風パターンをあしらったトップスやワンピースも、余白を活かしたデザインで、ほんのりとした透け感が奥行きを演出した。限られた色数ながら、素材の質感や柄の配置が視線を引き込み、静謐でありながら豊かな表情をもたらしている。