魚豊の漫画「チ。-地球の運動について-」が舞台化。2025年10月に東京の新国立劇場 中劇場にて上演され、11月にはツアー公演が行われる。窪田正孝、三浦透子、森山未來らが出演。
魚豊(うおと)の漫画「チ。-地球の運動について-」は、地球の真理を知ることに魅せられ、“地動説”を証明することに自分の信念、そして命を懸ける人間たちの姿を描いた作品。2020年より「ビッグコミックスピリッツ」にて連載をスタートするやいなや人気を呼び、NHK総合にてテレビアニメ化もされた。
物語の舞台は、15世紀のヨーロッパ。飛び級で大学への進学を認められた神童・ラファウは周囲の期待に応え、当時最も重要とされていた神学を専攻すると宣言するも、天文への情熱を捨てられずにいた。ある日、ラファウは謎めいた学者と出会う。彼は宇宙に関する仮説“地動説”を研究し、異端思想に基づく禁忌に触れたため拷問を受け、投獄されていたという。ラファウは彼の“地動説”に大きな衝撃を受けるのだった。
舞台『チ。-地球の運動について-』では、演出を、ミュージカル『100万回生きたねこ』や百鬼オペラ『羅生門』を手がけてきたアブシャロム・ポラックが担当する。
また、脚本を手掛けるのは『近松心中物語』の長塚圭史。長塚圭史は脚本について「全てのキャラクターが魅力的に立ち上がっていく」と前置きしつつも、特にノヴァクというキャラクターに注目したという。異端審問官のノヴァクは周りが追い求める真理への情熱や欲望とは距離を置き、徹底的に俗世を生きる人物。ノヴァクを起点に、『チ。-地球の運動について-』に演劇としての息を吹き込んでいく。
キャストには、存在感を放つ個性的な俳優陣が集結。『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』で主演を務めた窪田正孝をはじめ、『ロスメルスホルム』や映画『ドライブ・マイ・カー』の三浦透子、『ハリー・ポッターと呪いの子』でハリー・ポッター役を演じる大貫勇輔が出演を果たす。また、吹越満、成河、森山未來もキャストに名を連ねており、演技だけでなく身体表現にも定評のある俳優が勢揃い。
身体表現と芝居、そして歌や演奏を融合させた、新たな『チ。-地球の運動について-』の物語が繰り広げられる。
15世紀ヨーロッパ「P国」では、「C教」と呼ばれる宗教が生活の中心となっていて、「C教」の教えに反するものは“異端思想”として拷問や処刑で激しく弾圧されていた。神学を志す12歳の神童ラファウは、ある日、禁じられた思想、地動説を提唱する男と出会い、宇宙の法則に魅せられる。彼は知的探求の末、地動説の研究にのめりこむが、やがて異端審問官ノヴァクに目をつけられる。
時が流れ、ラファウの信念は多くの人々の手を渡りながら受け継がれていく。一方、ノヴァクは、以前にも増して執拗に異端者を取り締まるようになっていた。知的探求心に突き動かされ、命を懸けてまで真理を追い求める人々。歴史の流れの中で、信念が人々を繋いでいく。
【詳細】
舞台『チ。ー地球の運動についてー』
原作:魚豊「チ。-地球の運動についてー」(小学館「ビッグスピリッツコミックス」刊)
脚本:長塚圭史
演出:アブシャロム・ポラック
音楽:阿部海太郎
振付:エラ・ホチルド
出演:窪田正孝、三浦透子、大貫勇輔/吹越満、成河/森山未來 ほか
■東京公演
期間:2025年10月
会場:新国立劇場 中劇場
住所:東京都渋谷区本町1-1-1
※11月ツアー公演あり