2014年10月15日(水)、アツシ ナカシマ(ATSUSHI NAKASHIMA)が2015年春夏コレクションを東京・渋谷ヒカリエにて発表した。
フランス人アーティスト、バプティスト・デボンボーグ(Baptiste Debombourg)の作品からインスパイアされたという今シーズン。「彼の作品は、破壊してもう一回くっつけているものが多いんです。なんでも、自然にできるものは美しい。例えば万華鏡も、自然に生まれる模様じゃないですか、それが美しいんです」と語った、デザイナーの中島篤。今回は、破壊、そして再構築する事により生まれる美を表現。また、砕けたダイヤが万華鏡を通して見た時に生まれる幻想的なモチーフやカラーをファッションに落とし込んだ。
オープニングは、ガラスが割れたような音と共に、正面のスクリーンに万華鏡が写しだされる。そして現れたファーストルック。そのブルゾンには、割れたダイヤの破片をちりばめたモチーフがプリントされた。続いて登場するルックにもそのプリントが取り入れられ、どこか怪しげな表情を見せる。そしてその模様は徐々に色味を帯び始め万華鏡のようなイメージへと変化していった。中盤からは、ブルー、グリーン、ピンクといった鮮やかなカラーを採用。ジャケットやブルゾンにも、抽象的でシャープな模様が見られた。
また、今シーズンのテーマが反映されたアクセサリーにも注目したい。クリアな多面体のブレスレットやネックレス、そして大きなベルトのバックルが、時にライトを浴び鋭く光り輝いていた。
ファブリックでは、ダイヤ柄を破壊し再構築することにより生まれる美をジャカード織りで表現。例えばニットは、凹凸のある編地のニットでガラスが割れた表情を再現した。中でも、世界一薄いと言われる合繊にシルクを織り合わせ、2段染めによりグラデーションを生み出したという天女の羽衣は、見る者をはっとさせラストを艶やかに彩った。