レッド ヴァレンティノ(REDValentino)の2015-16年秋冬コレクションは、非現実とグランジがテーマ。カート・コバーンがフェデリコ・フェリーニの映画『道』をインスピレーションの源に、荒々しさをミックスした。
チェックやボーダーが目立った今シーズン。柄のサイズも大小様々で、色々な表情をみせた。特に象徴的なのが、グリーンのブロックチェックのシャツジャケットを、ボタニカル柄のドレスとあわせたルック。ブラックのレースを用い、ボリュームを出した。
チェックが可愛いウェアは他にも。ポンチョのような短いコートの上に、少し柄の小さいシャツワンピースをあわせたルックは、少女のようなホワイトのタイツでバランスを。バッグとハイヒールにはブラックを使い、大人の女性の要素もプラスした。
遊び心がみられたのは、模様だけではない。ルックの中盤から後半にかけて、愉快なサーカスような、あたたかみのあるイラストを刺繍したアイテムが登場。襟にファーが用いられたコートや、緩やかな波が美しいグリーンのスカートのドレス、丈が短いシープスキンのジャケットなど……。シックでクラシカルなアイテムにこの絵を加えることで、ガーリーさをミックスした。
ルックの後半でみられるピンクのウェアには、イノセントなアップリケやイラストが。色鉛筆で描かれたかのようなモチーフは、太陽や花のように見えるものなど抽象的。画用紙へ、一息にペンを走らせたような絵は、まるで童心に帰ったかのような世界観だ。
遊び心満載のワードローブとは対照的に、バッグ類はシンプル。レザーを用いたハンドバッグは、洋服と同系色ながら、素材感の違いによってコーディネートに深みをもたらす。ルックによってサイズも大きなものから小さなものまでバリエーションがみられた。