3.1 フィリップ リム(3.1 Phillip Lim)の2015-16年秋冬コレクションは、破壊から始まった。2015年秋に創立10周年を迎えるブランドは、これまでのコレクションで築き上げてきた“秩序”や“構造”を再構築し、次のステージへ向け、挑戦的なスタンスを強めている。
今季の起点となった破壊のアイデアは、洋服を壊すことに結びついた。ジャカードのノースリーブトップスもフリルブラウスも、ローエッジ仕立てで、ほころびた印象を受ける。中には、着古したように毛羽立ったニットトップスも。レースワンピースは、ジップやボタンなどのパーツを組み合わせ、レディライクなをイメージを崩し、逆にカジュアルなセーターはレースを合わせ、上品なイメージに昇華させている。
今季は、ひねりのアクセントもポイント。くるりとした結び目が特徴のベルトモチーフをロングコートやMA-1、デニムジャケットの胸元に添えた。本来ボトムスを支え、ウエストラインにあるベルトをデコレーションとして活用している。そういった斬新なアイデアは、スニーカーのようなシューレース付きのショートブーツも生み出していく。
チェック柄やアニマルプリントが入り乱れ、クラシック・ミリタリー・フェミニン……などあらゆるテイストが共存した無秩序な世界。ミックスカルチャーにフォーカスにあてたフィリップリム・リムは、ダークトーンに統一し、絶妙なバランス感覚で洋服を崩壊させることで、その世界で厳格さを見つけ出したようだ。