2015年2月28日(土)、ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)が、2015-16年秋冬コレクションをミラノファッションウィークで発表した。
丸を連続で並べたとき、同じ大きさであるにも関わらず、白地に黒丸を並べると小さく見え、黒地に白丸を並べると大きく見える。今季はそんな視覚効果を思い出さずにはいられなかった。白地のロングコートに、黒地のブラウスとパンツを合わせたルック。コートに配された丸は小さいが、ブラウスとパンツの丸はどちらも大きく、主張が強いように感じられる。コレクションを通して、ドットが繰り返されていたが、少しずつカラーや素材を変え、見え方が変化していく。時にはラメを加えたり、立体感を加えたりして。
模様だけではなく、装いでも視覚の遊びを採り入れていた。クロコダイルと透け感のある素材を組み合わせコートは、内側からドット柄のワンピースを透かせて。ステッチの効いたボーダーワンピースには、レースを重ねた。レイヤードの方法によって、デザインが見え隠れする面白みがある。
首元の見せ方にもこだわりを感じた。例えば、ジップを採り入れスタンドカラーに仕立てたウールワンピースは、ダブルフェイスを施すことで、内側に潜む色彩の美しさをひっそりと伝える。装飾としてのアプローチとしては、サテンブラウスで展開されていたボウタイが挙げられる。また、スカーフのエレガントな取り入れ方も提案された。少し鋭利な、直角形のショルダーラインにも注目。特にショーのラストを飾った、ダブルジャケットには力強さを与え、アイテムの持つ個性を存分に引き出しているようだった。
ここまでウェアばかり紹介してきたが、小物もキャッチーなものが多かった。複数のバックルをあしらったスクエアトゥのローファー、網模様のタイツ、エキゾチックなカラーリングの新作バッグ「モナコ(Monaco)」など。今季は、意外性のある素材の組み合わせや鮮やかな色彩のパワーを集結させ、“ドット”という1つの模様に真摯に向き合う姿勢が印象に残った。