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堤真一にインタビュー「常に学べる環境に身を置く」俳優のポリシーが変わらない理由とは?映画『室町無頼』

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2025年1月17日(金)公開の映画『室町無頼』にて、幕府の警護役の首領・骨皮道賢を演じる堤真一にインタビュー。

幕府軍vsアウトローたちの戦いを描く映画『室町無頼』

堤真一 インタビュー|写真6

垣根涼介の史実に基づく歴史小説が原作とするアクション・エンタテインメント映画『室町無頼』。時は大飢饉と疫病が国を襲う室町時代、8代将軍・足利義政の政権下で、時の権力者たちは享楽の日々を過ごす一方、民衆は貧困にひどく苦しんでいた。

そんな幕府に戦いを挑んだのが、日本史上、初めて武士階級として一揆を起こした男・蓮田兵衛だ。本作では、歴史書にたった1行のみ名を残した兵衛と、彼の元に集まった無頼(アウトロー)たちの“知られざる戦い”をドラマチックに描き出す。戦国時代の幕開けと言われる、応仁の乱が巻き起こる前夜の出来事であったー。

俳優・堤真一にインタビュー

堤真一 インタビュー|写真1

そんな『室町無頼』の公開に先駆け、堤真一にインタビューを実施。主演を務める大泉洋の印象から、互いの役柄へ込めた想いや、自身のポリシー、俳優人生におけるターニングポイントまで、貴重な話を伺った。

大泉洋演じる兵衛は、“同じ志を持つ”宿敵

堤真一 インタビュー|写真4

堤さんは、実在した人物でありながらも、記録にはあまり残されていない骨皮道賢をどのような人物と捉えて演じられましたか?

諸説ありますが、道賢は武士の出身。奥さんと子供が亡くなってから、“骨皮道賢”という奇妙な名前を語っていたようです。僕が今作で大事にしたかったのは、(大泉演じる)兵衛と道賢は元々アウトローの仲間であり、“日本を良くしたい”という同じ志を持っていたこと。道賢は、乱れた世だったら自分も成り上がれると考え、弱体化した政府側につくことによって、自分は成功者になろうとする。反対に、風来坊の兵衛はそれすらも嫌で、1人でひょうひょうと生きていく道を選ぶ。道賢の本心は、兵衛と一緒のところを目指したかったのではないか思いながら、演じました。

大泉さん演じる兵衛との友情や信頼のある関係性を意識されていた?

そうですね。本当は戦う必要のない間柄だけれど、立場上戦わなければいけない。最初、道賢は兵衛を見逃して許すのですが、そこに2人の関係性が表れていると思います。

大泉さんと“悪友”ともいえる間柄を演じられてみていかがでした?

洋ちゃんはその場にいるだけで、雰囲気がパァッと明るくなる存在。主演としてやりやすい現場を作ってくれるので、ありがたかったです。でも、劇中で笑いをとるようなシーンが1つもないのは意外でした。僕のいないシーンで、なにかお笑いをやってんのかな?と思ったんですけど、全くなかったからびっくりした(笑)。

真面目でしたね(笑)。改めて感じたことや印象に変化はありましたか?

才能にあふれる、多彩な人だなと改めて感じました。殺陣はあまり経験がないと聞いていたので、立ち回りも1つ1つ大変だったと思うんですが、本番までに “達人”のように仕上げてきて流石でした。

「やまとなでしこ」出演は想定外!?

堤真一 インタビュー|写真2

堤さん自身は、道賢と兵衛のように、目指すところは同じだけれども、やり方が違う方に会ったとき、どのように向き合うタイプですか?

僕は目指すところがないので…(笑)。ただ若い頃に役者を目指すにあたって、様々なアプローチがある中、僕はとにかく舞台がやりたくて、まだお芝居で食べていけない新人にも関わらず舞台しか眼中になかったので、周りからはちょっと変人扱いされていました。

そうだったんですね。ご自身のポリシーでしょうか?

はい。20代は、舞台を中心にやると決めていました。

30代に入られて、舞台からドラマにも出演されるようになったきっかけは何だったのでしょう?中原欧介役を演じたドラマ「やまとなでしこ」は社会現象にもなりました。

初めて連ドラに出演したのは「やまとなでしこ」の前に、同じくフジテレビで放送された「ピュア」という作品。「ピュア」では、撮影期間に監督やスタッフさんともすごく仲良くなれて、皆さんが熱量高く、力一杯頑張っている姿を目の当たりにして、そこからは一概に“連ドラ”という括りで決めつけるのはやめようと思いました。

堤真一 インタビュー|写真5

その後の「やまとなでしこ」はなぜ引き受けられたのでしょう?

そのとき、ちょうど今の所属事務所に変わったタイミングで、社長に「年齢的にもうそんな連ドラに呼ばれなくなるんだから、今のうちにやっとかないと!」みたいな感じで、半ば引きずり出されて決まったのが「やまとなでしこ」です。

そんなエピソードがあったとは!(笑)

経緯はそんな感じですけど、実際にやってみたら役者・スタッフの熱量が素晴らしくて、楽しかったし勉強になりました。今でもあの時本当に出演して良かったと思っています。

本物の芝居を学んだ舞台

堤真一 インタビュー|写真3

ご自身が思うターニングポイントになった作品はありますか?

麻実れいさん主演の舞台「双頭の鷲」です。人生で1番、演出家にけちょんけちょんにされた作品です。長台詞の場面で1行言っては止められて、全然稽古が進まなくて…。イギリス人のデヴィッド・ルヴォーという演出家でしたが、今まで教わってきたことが一切通用しなかった。 稽古場に向かう途中で、いま車にぶつかったら稽古に行かなくて済む…とさえ考えながら歩いていました。

そこまで追い詰められていたんですね…。

毎日きつかったですね。ある日「今日はお前がちゃんとできるまで帰さない」ってデヴィッドから言われて、僕はもうどうすればいいか分からなくて、ぶち切れたんですね。本当にプチンって音が聞こえた気がする。そこから、ぶわーって何ページもある長台詞を初めて最後まで止められずに言い終わったときに、デヴィットが「よし、明日から次のレベルに行くぞ、今日は終わろう」って。

最後まで台詞を言うことができた理由はなんだと考えていますか?

要は、僕の気持ちができていなかったんです。相手に対する怒りの感情が1つもない中で何を言っても、僕の気持ちが全くできてないことは、一言聞けば演出家には分かる。だから、本物の感情が出てきてやっと今のがベース、明日からはもっと上のレベルに行けるということになったのだと思います。デヴィッドからは、本当の意味でお芝居を教わりました。

貴重な経験ですね。

僕は、まさか自分が役者になると思っていなかったのですが、(坂東)玉三郎さんの舞台の素晴らしさに出会ったことで、とにかく舞台の世界に携わっていたいと思い、役者人生をスタートさせました。僕の基本的な考え方として、“常に学べる環境に身を置く”ことを大切にしています。その考えは、当時頃も今も、舞台であれ映像であれ、変わっていません。

【作品詳細】
映画『室町無頼』
公開日:2025年1月17日(金)
監督・脚本:入江悠
原作:垣根涼介『室町無頼』(新潮文庫刊)
出演:大泉洋、長尾謙杜、松本若菜、遠藤雄弥、前野朋哉、阿見201、般若、武田梨奈、水澤紳吾、岩永丞威、吉本実憂、土平ドンペイ、稲荷卓央、芹澤興人、中村蒼、矢島健一、三宅弘城、柄本明、北村一輝、堤真一

©2025『室町無頼』製作委員会

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