2015年3月8日(日)、ケンゾー(KENZO)の2015-16年秋冬コレクションが、パリ・ファッション・ウィークで発表された。
デザイナーのウンベルト・レオンとキャロル・リムが、今回のコレクションの主人公として思い描いたのは、森の住人だった。人が木々や動物たちと共に生きる、おとぎ話のような世界。ショーでは、ケンゾーらしいストリートの切り口から、そんな世界が表現される。
まずキーワードとなったのが、自然と共生するようなデザイン。登場するウェアには、まるで森の喧騒を視覚化したかのように、バリエーション豊かな柄が見られるのだが、中でも葉や花の柄、動物模様のグラフィックなどが特に目立つ。カラーは、ネイビーなどの控えめな色から、森を象徴するグリーン、そしてイエローをはじめとした鮮やかなものまで様々。
自然がテーマだが、決してナチュラルなムードに走ることはなく、シルク素材の光沢感や生地の切り替えなどであくまでもケンゾーらしいエッジィな印象に仕上げている。部分的に使われたレザーフリンジは、木の幹を表しているように見える。
風を感じさせるようなゆるいシルエットも特徴的だろう。マウンテンパーカーやポンチョ、スカートは、ゆったりとAラインのシルエットを描き、アウトドアの匂いを漂わせて。さらにビッグシルエットはそれだけにはとどまらず、ムートンコートやファーのポンチョにも採用される。こちらは素材感ゆえのラグジュアリーさと、ボリューム感ゆえの存在感で、これまた大きなインパクトを残した。
そして最後にもうひとつ、ストライプも重要なエッセンス。ポンチョのパイピングをはじめ、ジャケットのアクセントとして、トップスやパンツの立体的な装飾として、あらゆる場所にストライプが顔を出す。さらにバッグは直線的なストラップを交差させたデザインで、独自のシルエットに。すっぽり頭を覆キャップとともに、個性的なコーディネートを彩った。