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【インタビュー】エンダースキーマ 柏崎亮〜日本の職人たちと共に描く新しい形〜 | 写真
sacaiと共同制作したシューズ
sacai 2016年春夏メンズコレクションより

【インタビュー】エンダースキーマ 柏崎亮〜日本の職人たちと共に描く新しい形〜 | 写真 【インタビュー】エンダースキーマ 柏崎亮〜日本の職人たちと共に描く新しい形〜 | 写真

海外からも評価を得ていることについてはどう思われますか?

自分の世界観を作り上げていった結果だと思います。知らないところで広まっていて、突然注文がくるの繰り返し。海外の人が知ってくれたら嬉しいという気持ちはありますが、海外にむけて何か特別なことをやってやろうというテンションでは活動していなかったので、少しびっくりしています。嬉しいことに、海外で展示会をしないと、海外からの注文に対応できない取引数になり、2015年の1月に初めてパリで展示会を行いました。

【インタビュー】エンダースキーマ 柏崎亮〜日本の職人たちと共に描く新しい形〜 | 写真 【インタビュー】エンダースキーマ 柏崎亮〜日本の職人たちと共に描く新しい形〜 | 写真
エンダースキーマ 2015年秋冬コレクションより

パリで行い、どのような手応えはどうでしょう。

エンダースキーマ自身に関して言えば、オマージュライン以外の靴を紹介できて、いい反応を得られたことが良かったです。想像以上に多くの人に来てもらえて。

エンダースキーマは、歴史あるオールデントリッカーズとは異なります。色々な技法を上手く使いながら、デザインの面でみんなが見たことがないような靴があったり、ベーシックな靴があったりとコレクションを通して様々な角度でモノづくりをしています。そのスタンスを受け入れてくれ、面白いと思ってもらえました。また、ファッションに関してはよく日本を見ている。海外のバイヤーと話すと日本のブランドに対するリスペクトを感じました。

【インタビュー】エンダースキーマ 柏崎亮〜日本の職人たちと共に描く新しい形〜 | 写真
エンダースキーマ 2015-16年秋冬コレクションより

職人さんとの関係が深いようですが、靴産業の現状についてお聞かせください。

職人さんは分業制で成り立っていると言いましたが、分業であるけれども、材料屋、工場、機械屋、そして、職人さん達が1つのチェーンとして繋がっています。

例えば、機械屋が廃業してしまうと、工場の機械をメンテナンスできる人がいなくなり、工場も困るように、どの1つが欠けても、他のところにしわ寄せがきます。1つ1つに目を向けることも大事ですが、大きな視点で根本的にどうしていけばいいか考えないといけません。僕らは、浅草という街全体を使って靴を作っている感覚。そこに住んでいる職人さんの技術を活かしながら靴作りを行っているので、5年後、10年後に今と同じように靴作りを行っていくためにはどうすればいいか常に考えています。生産体制など、自分で変えていけることは少しずつ未来に向けての種をまいています。

【インタビュー】エンダースキーマ 柏崎亮〜日本の職人たちと共に描く新しい形〜 | 写真
アトリエの風景

日本のモノづくりの環境が揺らいでいるのでしょうか?

その通りです。これまでMade in Japanの信頼を得てきたのは、弛まぬ努力を重ねてきた職人さんたちのおかげ。それが、僕が感じた日本へのリスペクトにも繋がっていると思います。

エンダースキーマ自体は厳密に言うと自分たちの目の届く範囲でモノ作りしていきたいと考えているのでMade in Japanを訴求していませんが、それでも日本製であることの恩恵を受けているはずです。原産国でクオリティーの善し悪しを決められる時代でないとはいえ、日本のものがいいと思ってもらえる思いは途絶えさせないようにしたいですね。

エンダースキーマとして次に行いたいことはありますか?

デザインして、製作して、販売しているので、次は“直す”という部分に取り組みたい。具体的なプランまでは描けていませんが、常に靴の修理の窓口を設けたいとは思っています。リペアの仕方も色々あるし、上手い、下手もありますし、履く人の癖や傾向を通じて、次のデザインへ活かせることが沢山あるので、修理は魅力的ですね。

最後に今後のエンダースキーマの展望について教えてください。

突飛な考えはなく、これまで培ったことを続けていきたいです。自分の表現したいことを職人達の持つ高度な技術とともに共存させていくのが僕の役割です。1足1足を大事に作っていきたい。営業先を増やすよりは、現在の取引先の方々との信頼関係をより強固にしたいと思っています。日本のバイヤーにも海外にもフラットな姿勢でいますので、海外に対しても気負いはありません。

日本ほどたくさんのブランドもお店もあり、大きな産業として確立されているところはなかなかありません。まずは、自分達の目の届く範囲で、継続性を持ってモノづくりをしていきます。

Interview and Text by Mikio Ikeda

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