アンリアレイジ(ANREALAGE)が2011-12A/Wコレクションを発表した。今回のテーマは「LOW」。前シーズン、形が無いものを形にした「 」(読み方は“くうきのかたち”)と同様に、今シーズンも“かたち”に対して考えを追究してコレクションを製作した。
ショーがスタートするとモザイク柄のアイテムを着用したモデルが目に飛び込む。ジャケットからシャツ、スカート、タイツにシューズまで全てモザイク柄。元の柄は花柄やチェック、カモフラージュなど。これらを解像度を下げて(LOW)、違った見え方を提案。
「服のサイズを変えるだけでなく、解像度を変えることでも、“かたち”は変わるのでは」とデザイナー森永邦彦氏は、今回のコレクションの着想について語る。前半はウェルダー加工というハイテク技術を使用し、素材を貼り付けたものが登場。後半はアンリアレイジがよく用いるパッチワークで柄を表現。ラペルやポケット口などの縁もギザギザにしている拘りよう。
アイテムやシルエットはベーシックなものが多い。カラーも黒などモノトーンから、赤やベージュなど多彩。アイウェアはモザイク柄で顔を覆うほどの大きさ。ヒールもブロックを積み重ねたような形状をして、細部のディテールまでLOWが表現されている。ショーの最後には、さらに低解像度で、まさにピクセルのようなブロック形のワンピースが登場し、来場者を驚かせた。
震災の影響でショーが延期になったが、開催すること自体には意義があることで、必ずやろうと考えていたという。「A NEW HOPE」という文字をプリントしたTシャツを着たスタッフ全員で作り出した今コレクション。来シーズンのコレクションもどんなものを見せるのかが楽しみだ。