イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)の2011-12年秋冬コレクションのキーワードは「Urban Tailering」。時代が必要とする装いに焦点を当て、1960~70年代のイヴ・サンローランへのオマージュをステファノ・ピラーティがモダンに進化させた。
メンズのスーツに使われるグレンチェックを様々なアイテムにアレンジ。生地の裏側を表面に出したり、チェックを拡大してキルティングオーガンジーにプリントしたり、クラシックな美しさを持つ素材達が新鮮な表情を見せている。スリムなIライン、ボリューミーなコクーンシルエットといった構築的なシェイプが厚手の生地によってより強調された。
細かく裁断したウールにオーストリッチのフェザーを飾り、その上にプリントを施した素材からは、ステファノの素材への深い探究心が見て取れる。 70年代の雰囲気を伝えるウェッジヒール、ベルスリーブのシルクブラウス、ノーカラージャケットとフェザースカートの組み合わせ、ボウタイブラウス等、クラシックなスタイルも都会的なテーラリングでスタイリッシュに蘇った。メンズライクなジャケットやコートドレスに短めのスカートやシックなロングブーツを合わせたり、鮮やかなブルーやパープルを施したりと、フェミニンなアクセントを効かせたスタイリングも印象的。 イブニングスタイルはすべてまばゆいスーパーホワイトで、優雅なモスリンやサテン生地の上で輝くゴールドのチェーン飾りや刺繍がポイント。この上なくエレガントなジャンプスーツが、生みの親であるサンローランのロマンティックなスピリッツを見事に継承していた。