ポール・スミス(Paul Smith)の2016年春夏コレクションがイギリス・ロンドンで発表された。今シーズンのテーマは、6月のメンズコレクションに同じく「independent minds=何ものにもとらわれない独立心」。
伝統的な衣服の仕立てやルールに対する穏やかな反逆を感じさせる、スリーブレスジャケットやバイアスカットのスカートが登場。また、クチュールで使用されるような贅沢な生地が、シンプルなスクリーンプリントと組み合わされていたりと、幅の広い表現を巧みに織りなしていた。
コレクションの随所に見られる鮮やかなオレンジとブルーの挿し色は、イギリス人画家デイヴィッド・ホックニーの色彩感覚に影響を受けたもの。2016年春夏メンズコレクションでも取り入れられた自由でオプティミスティックなカラーリングが、ドレスのデザインやハンドバッグのプリーツに落とし込まれている。
ポール・スミスが初期の時代に多用していたぼかした風合いのアイテムも登場。さらに、ハンドメイドならではの味わい、魅力的な”不完全さ“を伴った仕上がりがアイテムの品格を生み出している。
ショーを通してマニッシュなコーディネートが多く展開され、テーラードのセットアップが所々ランウェイを彩っていた。このウェアの素材感を柔らかく丸みのあるものにすることで、女性らしいオーラを纏ったワードローブが仕上がったのだろう。