オランピア ル タン(Olympia Le-Tan)の2016年春夏コレクションが、2015年10月3日(土)にパリで発表された。今シーズンは、現代日本のファッションや伝統衣装などから影響を受けたスタイルを展開する。
19世紀にフランス美術界を賑わせた日本趣味=ジャポニスム。今コレクションでも、ジャポニスムのように、日本趣味を反映させたスタイルが多数登場する。例えば、序盤からインパクトを与える着物風のドレス。帯には、レザーを使うことでメリハリ感を出したり、スパンコールで華やかなパーティー衣装へと様変わりさせたりと、ラグジュアリーなこだわりで洋服へとシフトさせる。また、花魁や巫女を連想させる鮮やかなレッドをキーカラーに使用。コレクション内で象徴的に用いている。
伝統的な衣装だけではなく、カワイイ文化もコレクションを席巻。毎シーズン大人気となるバッグは今シーズン、マイメロディーやキキ&ララをモチーフにしたものが披露された。おなじみのキャラクターをあしらったバッグは、クールな着物スタイルとは対照的にキュートな一面をのぞかせる。加えて、マスクを着用したスタイルも印象的。
なお、バッグは他に「キネマ雑誌」や「陰翳礼讃」をはじめ、井伏鱒二の『黒い雨』、三島由紀夫の『仮面の告白』、川端康成の『千羽鶴』、芥川龍之介の『羅生門』、夏目漱石の『こゝろ』などをかたどった書籍のミニバッグも展開する。日本モチーフを選択する際の、デザイナーの着眼点がおもしろい。
他にも、招き猫とヤカンのプリント、前後反対に着るロングのスカジャン、アイテムに入れられたカタカナ、シューズに取り付けられた縄のディテール…と、様々な日本文化を披露。デザイナーの目線で見える日本文化が、ファッションという形になってパリで花開いたコレクションとなった。