ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)の2016年春夏コレクションが、2015年9月30日(水)にパリで発表された。音楽隊の生演奏とともに披露された今シーズンは、煌びやかでありながらもアンダーグラウンドな雰囲気を漂わせる。
今シーズンの大きな特徴は、輝くスパンコールや刺繍。羽や炎、フラッシュのモチーフを描き、艶やかな輝きを放っている。もちろんラグジュアリー感を漂わすディテールではあるのだけれど、スーツ地やサテンを始めとした高級な生地感とは対照的に、裏通りのダークで妖艶な匂いが香る。
また、カラーパレットにも注目。今シーズンは、プリントを1色、もしくは2色に抑えながらも、あえて“不調和”を感じさせる色のぶつかり合いが印象的。また、同じブルーやレッド、パープルでも、ヴィヴィッドで鮮やかな色合いと擦り切れたように霞んだ色合いという、正反対のバリエーションを揃える。
そして各アイテムにも目を向けたい。今シーズンは上質なテーラリング技術で仕立てられたコートやジャケットなどが目立つ。カラフルな装飾や色使いとは対照的に、シンプルな型となっているのが大きな魅力だ。さらにデニムやスカート、パンツなど誰もがクローゼットに持っているようなアイテムを用い、親しみのある日常着にブランド流のひねりや遊び心を加えることを意識したように感じられる。
他にも、服の生地やデザインをそのまま応用したカラフルなフラットシューズや、ループタイのような輝くネックレス、サークルのディテールが特徴の贅沢なクラッチバッグなど、アクセサリーも充実。手元や足元を飾る“タトゥー”グローブやソックスと相まって、アンダーグラウンドな輝きを放つリアルクローズコーディネート、という新しいスタイルを支えていた。