バルムング(BALMUNG) の2016年春夏コレクションが2015年11月20日(金)、東京・西麻布で発表された。今季のテーマは「知っていること」。"花"という、広く一般に認識される存在を抽象的に表現した。
まず注目したいのは、オーバーシルエットのガーメンツ。ブランドの定番アイテム「ビッグパーカー」はもちろん、首に巻かれたネックウォーマーや、手首に付けられた巨大なカフス、またボリュームのあるシューズが圧倒的な存在感を放っていた。
スタイリングはあくまでシンプルだ。カットソーにショートパンツ、Tシャツにスカートというベーシックなコーディネートをしている。ただしアイテムは、大小メリハリのあるピースを合わせることで、立体的なラインを構築。
テーマの"花"は崩したグラフィックで、ビッグパーカーや襟巻き、ズボンのポケットに印象的に取り入れられた。バラやユリをモチーフにしたようなデザインが見て取れる。
カラーパレットに目を向けると、ホワイトをベースにアイスブルー、ダークブルー、グリーンなどの寒色を合わせ、涼しげな雰囲気を醸し出していた。水辺に浮かんだ花のような、おぼろげな色彩が今回のキーワード"抽象的"に結びつく。
そんな色合いの中で目を引いたのは、スカートやTシャツに取り入れられたシルバーの箔を使用したロゴデザイン。一際輝くテキスタイルで描かれた「DIS」や「SHIT」などの単語は、一般に知られているワードだ。花と同様、皆が知っているものをあえて選んだとデザイナーのHACHI(城下龍一)は語った。