企画展「橋口五葉のデザイン世界」が、東京の府中市美術館にて、2025年5月25日(日)から7月13日(日)まで開催される。足利市立美術館などでも開催される巡回展だ。

装幀を起点に橋口五葉の仕事を展観

明治時代末から大正時代にかけて活躍した、橋口五葉(はしぐち ごよう)。大正時代、新版画の先駆者として、女性を描いた木版画を手がけた五葉は、書籍の装幀やポスター、洋画、日本画と、幅広いジャンルで活躍した美術家であった。

五葉の仕事の出発点となったのが、夏目漱石の小説家デビュー作『吾輩ハ猫デアル』の装幀だ。以後、五葉は『三四郎』や『行人』といった漱石の著作の装幀を手がけるとともに、泉鏡花をはじめとするさまざまな作家の著作で装幀に携わっている。こうした装幀に見られる、華やかな装飾性や職人との協業といった要素は、その後の絵画や版画の仕事にも繋がってゆくことになる。

五葉の装幀が一堂に

企画展「橋口五葉のデザイン世界」は、装幀を起点に、五葉の創作を紹介する展覧会。なかでも装幀の仕事では、『吾輩ハ猫デアル』を筆頭に、表紙に漆塗りを施した『草合』や、スエードを用いた『行人』など、五葉が手がけた漱石の著作に加えて、泉鏡花の著書やイワン・ツルゲーネフ著・長谷川二葉亭訳『浮草』など、約50点が一堂に会する。

絵画やポスター、新版画も

また、絵画やポスター、新版画の作品も。衝立形式の油彩画《孔雀と印度女》や、装飾的な花鳥を描いた《黄薔薇》、三越のポスター《此美人》などに加えて、《髪梳ける女》や《化粧の女》といった新版画の作品も目にすることができる。

展覧会概要

企画展「橋口五葉のデザイン世界」
会期：2025年5月25日(日)〜7月13日(日) 会期中に大幅な展示替えあり
［前期 5月25日(日)〜6月15日(日) / 後期 6月17日(火)〜7月13日(日)］
会場：府中市美術館
住所：東京都府中市浅間町1-3 都立府中の森公園内
開館時間：10:00〜17:00(入場は16:30まで)
休館日：月曜日
観覧料：一般 800円(640円)、高校・大学生 400円(320円)、小・中学生 200円(160円)、未就学児 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※障碍者手帳(ミライロID可)の所持者および付添者1名は無料
※府中市内の小・中学生は「府中っ子 学びのパスポート」で無料
※本展観覧料でコレクション展も観覧可

【問い合わせ先】
ハローダイヤル
TEL：050-5541-8600