展覧会「まだまだざわつく日本美術」が、東京・六本木のサントリー美術館にて、2025年7月2日(水)から8月24日(日)まで開催される。
作品を前にしたときに感じる、言葉にならない「心のざわめき」は、その作品を掘り下げる起点となることがある。展覧会「まだまだざわつく日本美術」は、2021年にサントリー美術館で開催された「ざわつく日本美術」の第2弾。「心のざわめき」に着目して、同館が所蔵する日本美術作品を紹介する。
本展では、「ぎゅうぎゅうする」、「おりおりする」、「ちくちくする」など、6つのテーマのもとで日本の絵画や工芸を展示。たとえば「ぎゅうぎゅうする」で紹介するのが、同じ意味や種類のモチーフを集めた「尽くし文」や「ものづくし絵」だ。15種類もの宝物を散りばめ、中央には「寿」の字を配した《色絵寿字宝尽文八角皿》や、明治時代に普及した鉄道馬車や自転車などを集めた幾英の《志ん版車づくし》といった作品を、それぞれのモチーフの説明を詰めこんだキャプションとともに展示する。
また、「おりおりする」では、屛風に着目。空間を区切るパーテーションとして使われてきた屛風は、しばしばジグザグではなく不定形に折り曲げられた。実際に《石山寺縁起絵巻(模本)》第五巻では、眠る女性を囲うように、屛風がぐるりと立て回されている。会場では、雲谷等璠《孔雀図屛風》といった屛風作品を取り上げつつ、空間の大きさや用途に応じて自由自在に折り曲げられてきた様子を再現する。
さらに、「ちくちくする」では、手芸の一分野「津軽こぎん刺し」を紹介。江戸時代後期以降、現在の青森・津軽の農村の女性が育んだ津軽こぎん刺しは、白い木綿糸を使って幾何学的な模様を表現したものだ。この模様を構成するのが「モドコ」という単位。約40種にものぼるというモドコには、「てこな(蝶)」や「べこ(牛)刺し」など、女性の身の回りにあった物にちなんだ名前が付けられている。本展では、津軽こぎん刺しの着物などを展示するとともに、モドコという細部に光をあててゆく。
展覧会「まだまだざわつく日本美術」
会期:2025年7月2日(水)〜8月24日(日) 会期中に展示替えあり
[前期 7月2日(水)〜28日(月) / 後期 7月30日(水)〜8月24日(日)]
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア 3F
開館時間:10:00〜18:00
※金曜日、8月9日(土)・10日(日)・23日(土)は20:00閉館
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:火曜日
※8月19日(火)は18:00まで開館
入館料:一般 1,700円(1,500円)、大学生 1,200円(1,000円)、高校生 1,000円(800円)、中学生以下 無料
※( )は前売料金(4月29日(火・祝)から7月1日(火)まで販売)
※チケットは、サントリー美術館受付(開館日のみ。前売券は4月29日(火・祝)から6月15日(日)までの販売)、サントリー美術館公式オンラインチケットほかにて販売
※団体割引:20名以上の団体は各100円割引
※あとろ割:国立新美術館、森美術館の企画展チケットの提示により100円割引
※割引は併用不可
【問い合わせ先】
サントリー美術館
TEL:03-3479-8600