アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)の2016-17年秋冬コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク5日目の2016年3月5日(土)に発表された。
ヴィヴィアン・ウエストウッド ゴールド・レーベルからブランド名を変更後、初めてのシーズンとなる、今回のテーマは「SEXERCISE」。過激なニュアンスを受ける言葉だが、コレクションノートには、友人や家族とのエピソードが添えられ、社会的なメッセージを謳ってきたこれまでとは異なり、穏やかな印象を受ける。
インスピレーションの一つは、縫ったり脱色したりして、リメイクウェアを作る友人の話。もう一つは、ヴィヴィアン・ウエストウッドの父の引っ越しにまつわるストーリーだ。荷物整理をしていると、母の衣服やジュエリー、学生時代のグッズ、お祭りの衣裳など、久しぶりに目にするものが屋根裏から見つかったという。この2つの物語は、豊かなデザインをのせたファッションとして綴られる。
着古したようなニット、年代を感じさせるポロシャツ、裾が伸びきったイラスト入りTシャツ。それから、カーペットのような趣の花模様やチェック柄など、異なる色柄を継ぎはぎさせたドレスやコート。
プレーンな下地には、ビジューやメタルパーツ、刺繍でデコレーションして、ニットは袋状にして首元をリボンで束ねた。一枚の布は、巻きつけ縛ってロングドレスに。また、シャツのラペルや袖口は異様に大きく、ジャケットにはサイズ感のちがうアームが取り付けられ、デフォルメさせた“チグハグさ”がスパイスとなる。
新しいブランド名は、夫の功績をアナウンスはしていこうという思いから、彼の名前を配したもの。その姿勢はクリエーションにも生きていて、どのアイテムもエキセントリックであるが、愛にあふれている。