イー.ワイ.ワダ(e.y.wada)の2011-12年秋冬コレクション。今季のテーマは、「Canadian Wood」。都会の中にそっと紛れ込んできた、昔慣れ親しんだ風景がふいによみがえってくるようだ。
メインカラーは、秋を感じさせるカーキやマスタードカラーに、どこか色褪せたような、柔らかい色合いのオレンジやブルー。 カラフルなウールに、シックなツイードを織り込んだダッフルコートは子ども時代によく着ていたコートを思い起こさせながらも、実際に袖を通すと、着丈の短さと配色が大人っぽく現代的で、しっくりとくる。 マスタードカラーのロングスカートは、ポケットのステッチや紐のベルトといったレトロなディテールに心惹かれる。
デニムの切り替えがモダンなイメージのワンピースや、アニマルプリントのアイテムなど、都会的なアイテムがある中でも、コレクションの中心は懐かしさの残るアイテムたち。 胸元のワッペンが手製のパッチワークを思い出させるワンピースは、ボーダーの切り返しがモダンながらも、少女時代を思わせる。 浮き出るようなライトグレーが印象的な、立体的なテキスタイルを使用したスカートは、落ち葉と初雪の舞う、初冬のカナダの空のよう。 合わせたローゲージのニットカーディガンが、手編みのような柔らかさで、心がほっこり温まる。
誰もが持つ、人生に潜んだ様々な経験。風化されながらも、決して忘れることのできない自分だけの思い出。
そんな懐かしく温かい過去を思いだせる、イー.ワイ.ワダのコレクションで、ノスタルジックな気分に浸ってみてはいかが?