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レスリー・キーにインタビュー”日本に憧れた青年が写真家に”新宿で愛をテーマに新撮影イベント

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写真家 レスリー・キー(Leslie Kee)。マドンナ、レディー・ガガや浜崎あゆみ、安室奈美恵、松任谷由実など、名立たる著名人を撮影したことなどで知られるアーティストだ。海外のファッション雑誌『L'OFFICIEL』『VOGUE』『GLAMOUR』『Harper's BAZAAR』をはじめ、ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)のルック、SMAPやAKB48のCDジャケットなど、その活動は多岐にわたる。

レスリー・キーにインタビュー”日本に憧れた青年が写真家に”新宿で愛をテーマに新撮影イベント | 写真
2011年 -「LOVE & HOPE」 表紙:浜崎あゆみ/ CINDY CRAWFORD

そして今回、東京・MIRRAZA新宿を舞台に、新たなチャレンジを始動。一般の人々を集め、街中で1DAY撮影会を行うのだ。またその模様をパブリック・アートとして公開し、公式サイトで動画配信する予定だ。

しかし、斬新な発想を生む、この‟ファッション界の売れっ子フォトグラファー”は、初めから順風満帆にスタートしたわけでない。シンガポール出身の彼は、シングルマザーの家庭で育ち、13歳のときに母が他界。学業と両立して働くことを余儀なくされた。

今回レスリー・キーに、母国を離れ日本に来日したきっかけ、写真へかける思い、そして新プロジェクトについて話を聞いた。

レスリー・キーのルーツをたどる

レスリー・キーにインタビュー”日本に憧れた青年が写真家に”新宿で愛をテーマに新撮影イベント | 写真

写真をはじめたきっかけを教えてください。

きっかけは、13歳のときに日本のレコードジャケットを見て「こんな写真を撮りたい」って憧れたところからです。

13歳まではお母さんとおばさんと暮らしていたのですが、お母さんがガンで亡くなって、僕は5歳の妹と残されました。そこから学生時代の3年間は、シンガポールの日系工場で働いていて。そこで、日本のレコードジャケット、漫画の表紙、TV番組を初めて見ました。

すぐにわかったのは、日本と僕の国や周りの国との違い。それまで、人間が作ったものがそこまで完璧にできるということを知らなかったんです。機械じゃないと完璧になんてできない。そう思っていたので、印刷・文字の並び方、その美しさに驚かされました。

同時に、日本人の働き方に感動しました。東南アジアの働き方と日本の働き方ははるかに違う。朝礼であったり、ユニフォームであったり、どんなことでも完璧主義に近いほどきちんとしていて、みんな同じことができる。それは、僕が暮らす東南アジアではありえないことで。シンガポールの一人の少年として、ここまでやるの?って感動したし、全てすべてのものが嘘みたいだと感じていました。

日本に憧れた青年レスリー・キーは1994年に来日。フォトグラファーを目指し、東京ビジュアルアーツに通うこととなる。

来日後、どんな環境が待っていましたか。

フォトグラファーアシスタントになりたかったのですが、留学生だし、日本語ができないので、面接を受けてもだめで。悔しかった。

そんなときは先輩たちの作品をみたいと思って、ただただ神保町へ足を運びました。古い雑誌をあさって、荒木経惟さんや篠山紀信さん、操上和美さんのページを時間と足を使って探して。それは教科書みたいなもので、1枚の絵だけで、フォトグラファーは誰、エディターは誰、スタイリストは誰、どこのファッションブランド…っていろんな情報を得ていました。

レンズをのぞいた先には、情報が排除された世界が広がっている

レスリー・キーにインタビュー”日本に憧れた青年が写真家に”新宿で愛をテーマに新撮影イベント | 写真
2016年 - 山本耀司のパリコレを年4回の撮影担当

写真だから表現できることってどんなことでしょうか。

当たり前だけど、写真は止まっているものを捉える。1枚の絵のようなそのとまっている状態で、人に考える力、見る力を与える。これがすごく重要で。例えば雲を表現するにも、音楽や映像は、ある程度の時間を使って、盛り上げたり下げたりすることで、動く様子そのものを映し出すことができます。

レスリー・キーにインタビュー”日本に憧れた青年が写真家に”新宿で愛をテーマに新撮影イベント | 写真

写真は動いている様子を捉えることができないけど、見つめ続けたときに、実際に動いていないのに、雲が動いていると感じさせることができる。最近映像にチャレンジしているのですが、感動させる力、それは写真の方がはるかに強く持っていると改めて気付かされています。

普段、撮影中はどんなことを考えていますか。

僕の場合、撮影は舞台で歌うのと一緒の感覚。自分のショータイムを最高にしたい、生まれた作品と同じくらい、撮影現場も大切にしたいと思っています。

音楽アーティストが、精一杯レコーディングしてCDを作って。ステージで歌ってライブDVDを作って。この感覚に近いなって思っています。カメラを持つときは、周りみんなに楽しんで感動してもらいたい。その経験が一日の最高の思い出となればいいなと思っています。

何か特別な演出などはしますか。

撮影前には、(被写体に)色々なことを聞きます。言葉でうまく表現できないのですが、いくつか質問をしてからカメラを持つと、その瞬間にスイッチが入って、色々なものが見えてくる。そして責任感が沸いてきて、アーティストの一面とミッションの一面が合致するとどんどん意味がわかってくる。レンズをのぞいた先には、情報が排除された世界が広がっていて、すっと心に入ってくるんです。

自分をどんな人物だと捉えていますか。一言で表現すると?

「シンガーソングライター」に近い存在かな。

僕の人生に大きな影響を与えてくれた、松任谷由実さん。小さい頃、ユーミンの音楽に出会って、自分で曲や歌詞を作って、歌う「シンガーソングライター」の存在を知りました。それまで音楽の世界には、作曲家がいて、作詞家がいて、シンガーがいてって、(役割が)分かれていると思っていたので。すべてを一人で行う、そのかっこよさに驚きました。

今の僕は、撮影する人を選んで、自分で撮って、デザインに携わって。まるで音楽レコードを作るように作品を仕上げています。音楽は大好きだけど、残念ながら才能はなかったので、そのできない気持ちに負けないよう写真で表現する。それに、人を喜ばせたり、何かのきっかけを作ったりといろいろな要素も少しずつ持ちあわせてきて「メディア」という存在にも近づいているように感じています。

レスリー・キーにインタビュー”日本に憧れた青年が写真家に”新宿で愛をテーマに新撮影イベント | 写真
2016年 - 「SUPER YOHJI YAMAMOTO」issue 4 表紙:秋元梢/赤西仁

作品を通して伝えたいことはありますか。

僕は人を感動させたいだけ。だから、人に喜んでもらうものをつくる。写真の評価はどうでもよくて、(写真を)見てくれたときにその人の人生が変わればいいなと思っています。写真がそこまでできるかはわからないけど、音楽にそれができたから可能性を信じています。

愛をテーマにしたシリーズと新プロジェクト

98年にフォトグラファーデビューを果たし、モデルを大きく映し出した代表作「SUPER」シリーズを2004年に生み出す。

「SUPER」シリーズにはどんな思いを込めていますか。

表現したいのは、人間の可能性。これは、幼少時代の出来事が大きく影響をしていて。先も話したのですが、日系工場時代に、自国の人と日本人を比べることで、人間そのものの可能性を学びました。そこからは‟人間オタク”と自分で感じるほど、人に対して興味深々。何でも相手のことを知りたいと思うようになりました。

レスリー・キーにインタビュー”日本に憧れた青年が写真家に”新宿で愛をテーマに新撮影イベント | 写真

その後、2013年にスタートさせたのが「スーパーラブ」シリーズ。実は何年も前から「ラブ」というテーマを形にさせたいと思っていて、恋人、兄弟、親子、友人。いろんな2人の関係性を撮影しました。自分以外にもう一人いることで、世の中、そして社会的に何か変化があるんじゃないかと考えて。それに、それを写真で残したら面白いなと思いました。

レスリー・キーがこの夏挑む、新しい試み。新宿での1DAY撮影会「SHINJUKU LOVE STORY」について話を聞いた。

新企画がスタートした経緯を教えてください。

今回のテーマは「SHINJUKU LOVE STORY(新宿ラブストーリー)」。これまで色々な2人組を「ラブ」をテーマに撮影してきました。しかし、いつもスタジオ撮影だったので、ロケ撮影を行って、新しいものを作りたいと思いました。街の緊張感・奥行きを残したり、他のモデルさんを背景にぼかしていれたりとか、そんな構成を考えていて。ジグソーパズルのようなものが最終的に出来上がればいいなと思っています。

それと、これまでは当たり前のように男女のカップルをとらえていましたが、今回はLGBTもキーワードに。いろんなパートナーの関係性を街で撮って、ビルの一番目立つところに飾ることで、新しいムーブメントを感じて欲しいなと思っています。

僕のファンや写真を勉強している人、いろんな人の期待に応えられる機会になると思うので、多くの人に参加して欲しいですね。

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2016年 - 「PHANTOM」featuring YOHJI YAMAMOTO 2016S/S ショートフィルム・ポスター

日本に来て、写真家として成功。今回のプロジェクトもそうですし、最近は映像にも挑戦されてますね。なぜそんなにもアグレッシブで、やりたいことが尽きないのでしょうか。

今も、子供の頃に描いた景色、聞いていた音楽、描いてた夢がとても大きい存在。シンガポール人でお金もない、言葉もできない僕にとって、日本にいくこと、まして日本でプロのフォトグラファーになるなんてことは冗談みたいな夢の話でした。

でも、それが少しずつ実現できている。今は経済的にもテクニック的にも、環境にも恵まれている。何もないのにプロのフォトグラファーになれたんだから、フォトグラファーになったのなら、もっともっと凄いことをしないと情けない。毎日ハッピーだけど、45歳でこれしかできていないのは悔しくて。だから、その気持ちに負けないよう1分でも1秒でも早くやりたいことを実現させようとしています。

それに自分のためだけじゃなくて、チャンスをくれた人とこの業界に恩を返したい。応援してくれた先輩や後輩に、昔と変わらずに同じものを追い続けていることを証明したいんです。

最後に写真家を志している若者に何かメッセージはありますか。

レスリー・キーにインタビュー”日本に憧れた青年が写真家に”新宿で愛をテーマに新撮影イベント | 写真

夢に向かう情熱、努力する必要さ、周りの先輩たちから学ぶこと、未来について本格的に悩むこと。色々と伝えたいことはありますが、一番は時間を本当にムダにしないでということ。

僕の時代と違って、今はインターネットがある。ピッピッピで情報が手に入る時代でしょ。すごく悔しい、もしあのとき(学生時代)インターネットがあったら、僕はもっとすごいことしてたはず(笑)。

僕は日本語ができなかったし、フォトグラファーアシスタントになりたかったけどなれなかった。それでも今があるから。僕みたいなハングリーさがあれば、4倍、5倍に大きな存在になれるはず。

【イベント詳細】
パブリック・アート「SHINJUKU LOVE STORY -MIRRAZA前から始まる物語-」
開催日:2016年8月27日(土)
撮影場所:MIRRAZA新宿
住所:東京都新宿区新宿3-36-10
募集人数:15組30名程度
条件:
・カップル、夫婦、親子、友達、幼なじみなど2名で参加できること。
・「新宿」への思い入れや「新宿」との関わり、おふたりの出会い、想い、メッセージなど、ラブストーリーを自由にコメントで記入すること。
募集期間:7月15日(金)~8月14日(日)
※応募者多数の場合抽選。
※当選者の方へは事務局より8月17日(水)より順次連絡。
応募方法:MIRRAZA新宿ホームページ内「パブリック・アート参加者募集」より必要事項を記入にて応募。
URL:http://www.mirraza.com/
公開日:2016年9月下旬(予定)
※MIRRAZA新宿HP、Youtube、新宿東口マルチビジョン、SNS等にて公開予定。
※天候などの諸条件により、撮影内容が変更となる場合有。

【参考】「THE INDEPENDENTS」(SHORT FILMS)


初監督作品ビジュアル&動画

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2015年 - 「THE INDEPENDENTS」featuring YOHJI YAMAMOTO 2015A/W ショートフィルム・ポスター

Photos(25枚)

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