パリファッションウィークで、ジョン ガリアーノ(John Galliano)が2012年春夏コレクションを発表した。 前任のジョン・ガリアーノが3月に解任されたため、これまでガリアーノの右腕としてブランドを支えてきたビル・ゲイテンが新クリエイティブ・ディレクターに迎えられた。新生ガリアーノのコレクションは、サイレント映画時代の大女優メアリー・ピックフォードとミュージカル映画「メアリー・ポピンズ」。2つの映画の全盛期を象徴する、2人のメアリーのスタイルがインスピレーション源。
サイレント映画のスクリーンをイメージさせるブラックとホワイトを貴重としたカラーのルックからスタート。ポピンズ風の帽子をかぶり、ウエストをきゅっと絞ったジャケットやゴージャスなフリルのブラウス、ピックフォード風のパンツスタイルで、クラシックな映画のヒロインがモダンに蘇った。
淡いピンクやグリーン、ブルーのまるでお菓子のようなパステルカラーのドレス達には、軽やかに揺れるプリーツやボリューミーなフリルでロマンティックな雰囲気でいっぱい。ガリアーノならではのドラマティックなシルエットに、胸元のコサージュやフリル、刺繍、カラフルなフラワープリントがさらに気分を盛り上げる。キラキラのスパンコールやリボン刺繍がキュートなオーガンジードレスを身にまとったなら、メアリー・ポピンズでなくても空高く飛んで行けそう。
メアリー・ピックフォードはかつて、「映画に音を足すことは、ミロのビーナスに口紅を塗るのに似ている」と語ったが、ガリアーノガールはメリー・ポピンズのみたいにいつでも自分の声で表現できる。自信に溢れた表情で堂々と歩く、フェミニンでラグジュアリー、そしてちょっとエキセントリックな彼女達のスタイルは、宝箱を開けるときのようなわくわく感に満ちていた。