ニューヨークのPier 55で開催された、アレキサンダー ワン(Alexander Wang)の2012年春夏コレクション。
コンサート会場のような広い会場には、元フランスVOGUEカリスマ編集長のカリーヌ・ロワトフェルドとその娘、現編集長のエマニュエル・アルト、モデルのリンダ・エバンジェリスタ、フォトグラファーのテリー・リチャードソン、歌手で女優のコートニー・ラヴやアリシア・キーズら、多くのファッショニスタが勢揃いした。
大勢の観客がひしめき合う中、モノトーンの会場の中心にクロスを描くようにセットされたのは4枚のミラー。そのお陰で、ルックを様々な角度から見て楽しむことができた。 モノトーンをメインに、差し色にオレンジやイエローといったネオンカラーや、 ワインレッド、パープル、ブルーなどを使用した、マニッシュなカラーパレット。
これまでもスポーティなルックを多く提案してきたアレキサンダー ワンだが、今季はBMXやモトクロスのレーサーやダイバーを意識したアイテムが多く見られる。 通気性に優れたメッシュ素材のパーカはオーバーサイズのものをラフに羽織り、同素材のミニスカートと合わせた。オーバーサイズの肩のラインがポイントのライダースジャケットには、ぼかし染めを施したフローラルプリントの生地を使用。そしてショーの最後を飾ったのは、グラフィカルなモチーフをプリントしたボディスーツに、シースルー素材の花柄のブラウスを羽織ったスタイル。どこかフューチャリスティックな要素とフェミニンな要素を組み合わせ、ユニークなスタイルに仕上げた。
今最も人気のデザイナーの1人であるワンは、アクセサリーにも抜かりがない。 今回のコレクションで印象的だったのは、かなり大きめのスキューババッグ。本体にメッシュ素材を使用し、軽やかに仕上げた。頭や首にパーカやバッグと同素材のメッシュバンダナを巻いたり、手にバイクのヘルメットを持たりとタフな印象だが、足元に構築的なアンクルストラップのハイヒールを合わせることで、女性らしさも忘れない。
スポーティを得意とするワン流の、流行の先端を行くクールな女性レーサーの完成だ。 最先端の技術と近未来的な素材を多く使用しながら、クールでセクシーな女性像を提案したコレクション。2012年の春夏はモダン・スポーティに身を包んだアスレチック・ウーマンスタイルを楽しもう。