ランバン(LANVIN)は、新アーティスティック・ディレクターのブシュラ・ジャラールを迎えて初めてのウィメンズコレクション2017年春夏をパリ・ファッション・ウィーク2日目の2016年9月28日(水)に発表した。
ベースとなったのは、創設者ジャンヌ・ランバンのアーカイブピース。ここに女性ディレクターならではのエモーショナルなアレンジを加えて、男性・女性といった性差を越えたスタイルを創り出していく。
ランウェイにはこれまでに比べ、パンツが多く揃った。ファーストルックを飾ったパンツスーツは、シルクサテンを使用したもの。真珠のような淡さと光沢が、マスキュリニティに色気を与える。ロングストライプシャツにはパールとビジューのボタンをあしらい、ジャンプスーツはシースルー素材で仕立てて、男性性と女性性を融合させた。
テキスタイルは、ランバンらしい贅沢なもので、ライダースにはツイードを用いて温かみを出した。また、胸元だけこのツイードを裂きほぐし間にチュールを挟んでボリュームデコレーションへと転換。Vネックのミニドレスには、アストラカンを配してラグジュアリーに仕上げた。ヴィンテージシックなゴールドチェーンも、豊かさと煌めきを象徴する。
ブラック&ホワイトのシックな色合いがムードだが、イングランドローズのモチーフがランウェイに華を添える。ロングドレスやジャケットには上からシフォンを重ねて優しく包みこみ、さらにジャケットの裾にはボーダーラインを添えてスポーツ要素を加えた。
ブシュラが生み出すコーディネートは、セクシーなキャミドレスと快活なジャケット、スーツとロングシャツのマッチなど斬新なものである。そこに、クリスタルのボリュームアクセサリーや、メタルレースのバングル、花のコサージュなどを胸元やラペル、足首などに投下させて、より複雑な着こなしを楽しんでいる。