Johan Ku(ヨハン クー)が、2011年10月19日に 2012年春夏コレクションを発表した。会場の照明が落とされたままショーがスタートし、登場したモデル達が纏っていたのは、なんと発光する服。
デザイナーであるヨハン・クーは、ギャスパー・ノエ監督のフランス映画「Enter the void(エンター・ザ・ボイド)」からインスピレーションを受け、服が発光するコレクションを生み出そうと決意したという。この素材は、台湾の会社との共同開発によって、ベースとなる生地に蛍光帯を含ませることで誕生した。
暗闇では幻想的に発光しているアイテムが、スポットライトを浴びた途端に無垢な女性を連想させるピュアホワイトのニットアイテムへとイメージを一転させる。日中と夜では、180度表情を変えるミステリアスな女性像が、革新的な技術によって表現された。まさに「The Two Faces」と名付けるのにふさわしいコレクションだ。
トップスやスカートもアシンメトリーなデザインが多く、フロントとバック、または左右で異なる表情を覗かせる。シルクや麻といった素材を使用し、様々なニッティングのテクニックが駆使されることで、軽やかで流動的なシルエットが作り出された。
ショー終了後、「ニッティングを得意とするブランドとして、ニットの幅を広げることを意識し、コレクションを作成した」とヨハン・クーは語った。彼のクリエィティビティへの飽くなき追求心が全面に押し出されたインパクトのあるショーであった。