ニルズ(NILøS)の2017年春夏コレクションは、1980年代から現代に至るまでの、消費社会、物質主義にフォーカスしたをテーマに構成。芸術やアート、そして戦争までも情報として取り入れられ、一時的なムーブメントとして消費されていく現代を、80年代のポップでカラフルなスポーツウェアのフォルムに、ダイレクトなグラフィックメッセージを載せて表現した。
消費のスピードがめまぐるしい社会へのアンチテーゼとして、あえてマスメディアが主流として行っていたコマーシャルやグラフィックなどを現代的にアップデートしてデザインに採用。ニルズらしい大ぶりなTシャツアイテムが、フーディや太いリブのディテールで時代感をまとっている。
インスピレーション源となったのは、アメリカの芸術家ジェニー・ホルツァーやイギリスのバーチャル司会者として登場したキャラクター、マックス・ヘッドルーム、風刺映画『ゼイリブ』。どれも、マスメディアや政治などへの風刺などで有名となったものたちだ。
ビジュアルのグラフィック自体も、残像のようなものを利用したり、目が眩みそうな光の当たり方をしているものを使用したりと、世界観がより伝わりやすくなるように変化が加えられている。