ミントデザインズ(mintdesigns)の2017年春夏コレクションが、2016年10月19日(水)、東京・恵比寿にあるリキッドルームで発表。“SUBWAY”というテーマにふわさしい、暗くひんやりとした空気の中、一体どんなワードローブが披露されるのか、会場が高揚感に包まれる。
共通するエッセンスは、靴紐のように洋服を編み上げているレースたち。腰から裾にかけて大きくレースアップされているものから、ポケットに当たる部分の切り込みだけ編み上げているもの、靴をぐるぐる巻きにしているものまで、幅広い表現で洋服に変化を加えていた。
テーマを反映しているのだろうか、生地の重さが絶妙に操作されているものが多い。一見すると透け感のあるシースルー素材のように思えるファブリックも、動きを加えた時にあまり肌の色が出てきていない。それとは対照的な軽い生地は、柄の重なりが生まれるようにレイヤードされ、光が通過する分量を、きっちりと計算したバランスが組まれている。
特にも興味深い、“重ね着”は、ワンピースのようなロングトップスに、軽やかなパンツを合わせたもの。ある時はパンツにネオンカラーを加え、透けて見える色合いに目が眩み、またある時は、パンツのブラックが下から土台となり、トップスの軽快さを引き立てていた。
全体を通してみると、パーカやロングシャツ、ワイドパンツ、スウェットなど、どこかマニッシュで退廃的な気配が漂うアイテムが差し込間れている。この“モノ”自体の力強さをベースに、軽やかな素材使いやレースでのシルエット操作を加えることで、新しいフェミニンのあり方を提案した。