Nocturne #22 In C Sharp Minor, Op. Posth.(ノクターン ナンバー22 イン シー シャープ マイナー オプト ポッス)が2012年春夏コレクションを発表した。テーマは「detachable femininity(取り外し可能の女らしさ)」。
「素直であるあまり生きる事が難しい人々が、弱者になるのは悔しい。少しでもこの服を着て勇気をもってくれれば」と、大人と社会に対する反抗心を露にしながらデザイナーの鈴木道子はコレクションに込めた思いを語った。そして、オリジナルブランドのデビューの舞台を、自身のスタート地点として相応しい教会を選んだ。パイプオルガンが響き渡る教会の神聖な雰囲気の中、モデルが礼拝堂へと向かう演出でコレクションが披露された。
今季は、モノトーン、ボーダー、ストライプ、そしてアシンメトリーなシルエットが目立つ。さらに、デザイナーにとって初の試みだったという、取り外し可能なレースパーツを使用し、アクセサリーでも女らしさを表現。シューズはフラットヒールでバランスをとっている。
星条旗を切り刻んで再構築したワンピースは、パワフルであり印象的。普通の少女が星条旗をリメイクして纏うという事に、現代社会や大人に対する反抗心を込めた。また、その上にブラックのジャケットを合わせる事でラフになり過ぎない上品なスタイリングに仕上げた。
最後に登場したのは、ドレープが美しい黒いパンツとベストのルック。黒いベストからは溢れ出すように純白のレースが覗き、レイヤードが凛とした美しさを生み出した。マニッシュでありながら媚びることのない、凛とした女性像を描いている。
師匠でもあるヨウジヤマモトにインスパイアされ、服作りには専ら無地の生地を用いる彼女。服はあくまでも脇役であり、着る人自身の個性を引き立てる為に存在しているというのが根底にある。だからこそ、ただ表面的に施されるプリントやパターンだけではなく、内面的なものを表現するデザインやテキスタイルにこだわった。
シンプルでありながら女性らしいレースを取り入れて、「取り外し可能の女らしさ」を完成させたコレクション。