2011年11月15日(水)、アメリカのブランド「COACH(コーチ)」の創立70周年を記念して、世界的に著名な写真家とコラボレーションした一夜限りのスペシャルな写真展「SEVEN for SEVENTY」が開催された。 会場には、“NEW YORK” と “COACH” をインスピレーションの題材に、世界的に著名な7名のフォトグラファーがCOACHのアニバーサリーのために特別に撮り下ろした作品が展示され、多くの招待客で賑わった。
オープニングセレモニーでは、 写真展の参加フォトグラファーのひとりである蜷川実花が、「“NEW YORK”と“COACH”が織りなす“さまざまな色”を探すように写真を撮りました。その雰囲気を楽しんでほしいですね」と写真展へ込めた思いを語った。 会場には、すみれ、秋本梢らホットなモデル達や、中野裕太、西方凌、そしてAKB48の秋元才加や宮澤佐江(AKB48)を始め、大勢のセレブもお祝いに駆けつけてイベントに華を添えた。
【各参加アーティストのコメントとプロフィール】
■STEVEN SEBRING (スティーヴン・セブリング)
「街を駆け巡るドラマを描いた映画であるべきというアイデアを起点としています」
スティーヴン・セブリングは1992年にニューヨークに活動拠点を移して以来、ファッション、セレブ、ロックスターのポートレート写真などにおいて、その独創的な撮影スタイルで高い評価を得てきた。写真集出版や展覧会、男女両方のファッション写真に高い関心を持ちつつ、映画制作にも情熱を注いでいる。最近では、伝説のロッカー、パティ・スミスに密着した映画『ドリーム・オブ・ライフ』でエミー賞とサンダンス映画祭の賞を受賞。
■WING SHYA (ウィン・シャ)
「私にとって重要なのは、感情を十二分に表出している対象やその瞬間を捉えることです。人物を撮るときには、その人の目だけを見て、その人物の心と人格をつかむようにします」
香港を拠点とする写真家で、ファッション、映画、アートの分野で活躍。『ID』、『VISIONAIRE』、『TANK』など影響力の高い一流の出版物をはじめとする、国際的なファッション雑誌やアート雑誌に数多くの作品を発表している。また、ウォン・カーウァイ監督の映画で専属のカメラマン兼グラフィックデザイナーを務めているだけでなく、自身もディレクターとしていくつもの音楽ビデオ、テレビCM、長編映画を監督している。
■CHEN MAN (チェン・マン)
「ニューヨークに訪れたことがあるのは1度だけなので、ニューヨークは私の中で映画やアニメで見たイメージそのものです。私にとってニューヨークは夢のような場所です。ですから、私は3つの夢を発表しました。ヒーローの夢、ビッグアップルの夢、そして映画の夢です」
北京生まれ。雑誌『VISION MAGAZINE CHINA』の表紙の撮影で注目を集めた。カメラ技術と3Dレンダリングやテクニックなどのコンピュータ技術が融合した作品を発表。女性をセクシーで潔く、遊び心のある存在として映し出す大胆な写真家として広く知られており、フォトショップとライティングを駆使することで、他の写真家とは一線を画している。
■PHILIP-LORCA DICORCIA (フィリップ ロルカ・ディコルシア)
「忘れられない写真は、気持ちや目、心、そして記憶など、多くの部分に触れるものです。それらのいくつかが組み合わさっていなければ、写真は単なる目の保養か感傷に過ぎません」
1951年生まれのアメリカ人写真家。エール大学で美術の修士号を取得。MOMAやホイットニー美術館など世界中の有名な美術館やギャラリーで作品が展示されてきた。日常のスナップ写真からアイコニックで完璧に構築された作品まで様々なスタイルを発表しているが、どれもリアリティーとファンタジーを強力に結びつけるアプローチであると評価されている。
■REED KRAKOFF (リード・クラッコフ)
「私は若いころに見た『赤い風船』のことを思い出しました。フランス人の男の子が赤い風船を見つけ、その風船が街で自分の後をついてくるというストーリーです。そこで、コーチのスピリットとニューヨーク・セントラルパークのロマンスを物語として映像で表現したら面白いのではないか、と考えたのです」
コネチカット州生まれ。コーチのブランド構築者であり、現在はコーチのプレジデント兼エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターを務めている。2010年、自身の名を冠した「リード クラッコフ」ブランドを立ち上げた。同ブランドでは、高級アメリカンスポーツウェアのデザインの伝統を受け継いだ、ウィメンズのレディートゥウェア、ハンドバッグ、靴、アクセサリーなどが揃うコレクションを発表している。
■SHEILA METZNER (シーラ・メッツナー)
「街とハンドバッグを組み合わせる非日常的な方法を考え続けていたときに、“ビッグアップル”が頭に浮かんだのです。小さいりんごをミニチュアの柱の上に置き、ハンドバッグを大きな柱の上に置いて、それらを別々に撮影することによって、小さいりんごが“ビッグアップル”へと変貌を遂げたのです」
ブルックリン生まれ。その独自の撮影スタイルによって、ファッション、静物、風景、ポートレートなど幅広いジャンルで世界的なコンテンポラリーの巨匠として位置付けられている。その作品はこれまでに、MOMA、メトロポリタン美術館、国際写真センター(ICP)のコレクションとして展示されてきた。
■MIKA NINAGAWA(蜷川実花)
「コンセプトは、コーチバッグを持ってニューヨーク市を歩き回り、その街路で色彩を見つけることでした。私たちは実際、前もって特定の場所を決めずに、街中を歩きながら撮影しました」
東京生まれ。日本国内の写真賞を数々受賞。国内外を問わず、ファッション、広告、映像、美術館やギャラリーでの個展など多岐にわたり活動中。ファッションや広告撮影ではアートディレクションもすべてを自らが手掛けている。花や金魚、旅、ポートレートポートレイトなどの撮影をライフワークとしており、独自の世界観で世界を切り取った作品で知られる。監督を務めた長編映画『さくらん』はベルリン国際映画祭でも高い評価を得た。