オールドジョー(OLD JOE)の2017年春夏コレクションは、これまで同様「古きものへの敬意」を感じさせるものになっている。

彼らは、ブランド設立から変わらず、シーズンテーマは設けていない。ただ、「過去の産物が、未来を創る」という考えのもと、ヴィンテージウェアからだけではなく、古い時代につくられたもの全てからのインスピレーションを受け、モノづくりに反映させている。

コレクションを見ていると、なぜだか懐かしい気持ちになってくるはずだ。それは色彩からだろうか。チーク材やマホガニー材のような美しい茶色、長い時間を経たキャンバスのような表情。枯れた雰囲気を持つ独自のカラーパレットが、全体を纏め上げている。

作業着を彷彿とさせるアイテムの数々は、ゆとりのあるシルエットのものが多く、シンプルで削ぎ落とされたデザインに。真っ白なガウン、帽子、オーバーオールは、着ていくうちに、様々な“生活の色”が移ってきて、経年変化も楽しめそうだ。

小物は、ハンドバッグやアイウェアが展開される。バッグは手持ちの部分が真鍮の金具で、皮と良い共鳴をもたらす。また、アイウェアは、テンプルやブリッジの部分に、アスカリバイシクルズのレザーラッピングをクルクルと施しており、ユニークな仕上がりに。さらに、古い眼鏡によくみられる「ケーブル(テンプル先が縄手)」になっているものも見受けられる。

オールドジョーならではの、感覚に訴えかけてくる「古き良き美しさ」。普遍的なクラフト感を感じさせるワークウェアからヒントを得たコレクションは、昨今のすぐに流れていくトレンドの中で、一際、異彩を放つことになる。