グラフペーパー(Graphpaper)の、2025年春夏メンズコレクションを紹介。

陶磁器を焼いた時に起こる「窯変」を着想源に

陶磁器を窯で焼く時に、予想していなかった色に変化する「窯変(ようへん)」が今季のインスピレーション源。「ALTERATION(変移)」をテーマに、偶然の変化により生み出される美しさをデザインに落とし込んだ。炎の性質や釉薬(ゆうやく)の物質変化によって生じる、独特な色彩感覚と表情を衣服で表現している。

自然を感じる色味

象徴的なのはカラーパレット。シャツにはグラデーションを施し、土のようなブラウンや清涼感のあるミントグリーンから徐々に白に向かっていく色のうつろいを全体で表現している。また、ブルゾンやテーラードジャケット、タックパンツなどにやや赤みを帯びたブラウンが多用されている他、生成りのステンカラーコートやニット、グレーのカーディガンなど自然の色味を感じさせるベーシックカラーのピースが散見された。

陶磁器の肌理を思わせる質感

陶磁器の肌理(きめ)を思わせる、素材のテクスチャーにも注目だ。ワークジャケットには風合い豊かなゴートスエードを採用し、温かみのある質感に。ダブルのジャケットやシャツジャケットには製品染めを施すことで、細やかなしわや深みのある色合いなど、味のある表情に仕上げている。また、リネンのニットカーディガンは、麻特有のさらりとした感触もありつつ、柔らかさを兼ね備えた仕上がりに。軽快な春夏の装いになじむテクスチャーに仕上げている。

リラックス＆クリーンなシルエット

また、ショルダーをドロップさせ、立体的に仕立てたリラクシングなシルエットをメインに採用しつつ、クリーンな佇まいを描き出しているのも特徴。ロングコートやジャケットなどのアウターは、肩から腕にかけてのラインに寄り添うようなフォルムで身体を優しく包み込む。タックギャザーを効かせ、空気を含むように仕上げたパンツや、コシのあるトロピカルウールを用いてボリュームを持たせたイージーパンツなど、ボトムスも分量を持たせつつ上品に見えるように計算された仕立てが目を引いた。

ローファー風デザインの「ジャックパーセル」シューズ

コンバース(CONVERSE)のアイコン「ジャックパーセル(JACK PURCELL)」とグラフペーパーのコラボレーションシューズにも注目。2024年8月に発売されたスリップオンシューズに続いて登場する今季のシューズは、マットなローファーのようなアッパーデザインが特徴だ。